D・W
□Episode.03
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「…エクソシスト…?
(話についていけない…)」
“夜”が口に出した言葉を繰り返して、
亜璃朱は疑問符を浮かべた。
────その説明は後でだ。
一人困惑している亜璃朱に“夜”は
小声で囁く。それに、亜璃朱は小さく
了承の意を混めて頷いた。
「アンタ達…、“悪魔”ね。」
────姿を見たときから、見慣れた
異様な雰囲気だったけど、マズイな…。
コイツ等は“人型”…。
運悪く、今日は調子悪いのに…。
…此所には“人”も大勢居る。
あたし一人で戦いながら守りきる事は
…不可能に等しい。
瑞穂は“夜”に殺気を込めて睨み付け
夜達に尋ねている間、内心は冷や汗を
流し、ずっと考え続ける。
途中から最悪と顔色を変えたが。
そして又も、もう一つの言葉に亜璃朱は
話が全く理解できず、混乱するばかり。
「あー!滅魔使ねっ!
だから能が効かないのか♪
(…まぁ元々、“人”用に
加減したんだしねー…)」
わざとらしくも“白”は、
「納得っ」と笑う。
瑞穂にも机に伏している者達同様に
亜璃朱の言う
“催眠術”をかけられていたのだ。
だが、瑞穂は“催眠術”をかけられて
いるにも関わらず、目の前に立っている。
ニコニコと笑う“白”に瑞穂は
腹が立ったのか殺気を込めて睨む。
「……でも、少しは
効いてるみたいだね?」
白が目を少し細めて見ると、瑞穂は
少し息が荒くなっていた。
襲ってくる眠気を必死に堪えているのだ。
「(油断、した…)」
堪えていると同時に片腕に走る激痛に
瑞穂の顔が段々と青くなっていく。
「───!? 松井さん!」
瑞穂は顔を歪める。その様子と右腕から
薄く血が滲み出ているのに気がつき、
亜璃朱は駆け寄ろうとするが、“夜”の
手により引き留められた。
「あれ?…ケガしてるの?
でも手加減なんてしないよ。
だって僕たちは、
『加減を知らない野蛮な悪魔』
だからさぁ…? ごめんね?
可愛い滅魔使さん♪」
瑞穂の怪我をみて“白”は、目を細めて
妖しく笑うが、直ぐにニッコリと
わざとらしく申し訳なさそうに笑った。
「───!!…やっぱりね…。
でも残念ね。
私は簡単には死なない。
絶対にアンタ達“悪魔”を
残らず、消してやる…!
亜璃朱さんも助け、る」
瑞穂は片膝を床につき、右腕を押さえて
呟くように言い放つ。
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