D・W

□Episode.03
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    「悪いな。他は消えても
    “オレ達”はそう簡単に
     消えてやれないな。


     それに、アリスはアンタ達
     滅魔使なんかに渡さない…。


    “歪みを無くす”為には
     アリスの能(チカラ)が必要だ」



    ────アンタ等の神サマに
    魅いられたアリスの能がな。








    「!!…何故それをっ!
    “悪魔”が知って…、…!!」






“夜”の言葉に瑞穂は驚愕。

無意識に立ち上がろうとする瑞穂の
顔の目の前に突如、現れた影。







    「ごめんね。…キミには、
     少し眠ってもらうよ♪」






その現れた影は“白”だった。
“白”はそう呟くとスッと瑞穂の顔の
前に手を、静かに翳す。






    「!!(しまっ…)…っ、」






瑞穂はそれに気づくと、急いで離れようと
するが、反応が遅れてしまった事で
突然 強い眠気に襲われる。



必死に堪えるが、次の瞬間傷の激痛と共に
静かに床に倒れていく。






     「松井さん…!!」






瑞穂が倒れたのを見て、今まで
掴まれていた“夜”の手を払い、急いで
瑞穂に駆け寄る亜璃朱。






    「この人達と同じように
     眠らせただけだから、
     大丈夫だよー♪」






その事を聞いて亜璃朱は、瑞穂を見る。

苦しそうに眉間を寄せながらも、静かに
寝息をたてて眠っていた。そして
滲み出ていた右腕の血も止まっていた。

それを見て亜璃朱は安堵の溜め息をつく。







    「ふぅ…。随分と
     遅くなっちゃったねぇ」






      「───…。」





     「 ふふ♪ …夜 」





“白”は“夜”に目を向ける。






      「………ああ。」






白の呼び掛けに、夜は亜璃朱の表情を
横目に見ると、パチンと指を鳴らす。

すると突然、霧が教室に居る三人を覆う。






そして暫くして霧が晴れると三人の姿は
もう教室にはなかった。


















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