D・W

□Episode.04
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     「────ふぅ…」






あれから白に案内され、亜璃朱は
温かな風呂から上がって、タオルで
髪を拭きながら、風呂場を
出てきたところだった。







   「はぁ…。(美樹たち、
    あれから大丈夫だったかな…)」





亜璃朱が溜め息を吐き、廊下を進みながら
思い出すのは、先程の白が言った言葉。










   『────アリス。

    約束通り、アリスの友達や
    知り合い全員のアリスに
    関する記憶を消したからね』












     「───……。」





静かに、顔を附せる亜璃朱。








ここに来る前の、教室での事…











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    「アリス、…聞いて?」




     「? …なに?」





    「アリスが僕達と来る場合、
    “此処”でのアリスに関する記憶を
     消さなくちゃいけないんだ」






     「────っ!!」





目を見開き絶句して、白を見つめる
亜璃朱に、フードで顔こそ見えないが
悲しそうに小さく笑う白。





   「これはね“世の理”に
    反する事なんだよ」





     「 ……そっ、か 」




意味深な言葉には敢えて触れずに
亜璃朱は眼を逸らして、無表情に白の
言葉を受け止める。

白はそんな亜璃朱を見て、困ったように
小さく笑い続けた。






    「それでも、僕たちに
     着いてきて貰うよ。アリス」





    「わかってる、よ……」




顔を附き、小さな声で言う亜璃朱に
白は目を伏せて、夜は目を細める。





     「……大丈夫だ。」





黙っていた夜が、突如口を開く。
















   ────『アリスはオレ達が
        絶対、護るから…』



















    「………。(それにしても、
    “夜”って人が言った言葉
     何でかな。すごく懐かしい
     感じが、した…。


     ────前にも誰かに…)」





亜璃朱は先ほどの事を思いだし
心の中で呟いた。








      「 アリス 」




      「────!?」





思い出そうと集中している亜璃朱を呼ぶ
突然の声に、思考を中断して
反射的に顔を勢いよく上げた。





     「あなた、は……」





亜璃朱の数歩先に居たのは
壁に寄りかかり、
黒いフードを被った人物。


















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