D・W
□Episode.04
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「あなたは……、“夜”…?」
亜璃朱の目の前に現れた人物は、黒く
大きめのフードを被っていて、眼帯を
付けているであろう目元は見えない。
だが亜璃朱は無意識にある名前が
ふと浮かび、不安ながらも
それを口に出す。
「オレの名前…?」
亜璃朱が自分の名を口にしたことに少し
驚いた様子を見せる、白と一緒に亜璃朱を
この場所へと連れてきた人物…“夜”。
「白に聞いて…。」
亜璃朱は何故か緊張して段々と
声が小さくなっていく。
「 ……そうか 」
夜の口元は綺麗につり上がり
不敵な笑みをつくる。
亜璃朱へ静かに夜は歩みを進めた。
夜は、被っていたフードをとり、
フードに隠されていた夜の姿は
肩に少し付くくらいの漆黒の髪と
薄い灰色の瞳。左目は眼帯がある。
中性的で綺麗な顔立ちと言えるだろう。
────男にも見える、が
夜は女≠ナある。
それを亜璃朱は、いつ気づく事に
なるのだろうか……。
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