D・W
□Episode.14
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「私の屋敷の者を疑う気か!?
そんな事は絶対にない!!!
ハァ…。…それにしても、
貴女方は本当に“滅魔使”なのか?
嘘ならば訴えますよ」
少しは冷静さを取り戻したのか
深く息をはくと、すぐに調子を変えて
ハッと鼻で笑うのは、この広い屋敷の主。
「嘘ではありません。
それと一つ…、貴方の力では
訴えようとも“私たちに”
決して敵わないと思いますが」
無表情で淡々と護衛対象に話す瑞穂。
「それに、貴方がこの屋敷の
詮索を拒むのは、
“見つかると厄介なモノ”が
此処に在るからでしょう…?
そんなモノ、直ぐにでも
バレるというのに。」
クスっと嘲笑うような瑞穂に図星を
つかれ、気に障ったのか…カッとなり
勢いよく、手を瑞穂に振り下ろす男。
瑞穂はその振り下ろされる間も
小さく笑みを絶さなかった。
━━━パシッ
「おい。何してんだ?
お偉いさんかは知らねぇけど
何でもしていいと思うな」
「何…っ!! っ離せ!」
屋敷の主の手を掴み、瑞穂の前に
現れた真輝斗。その声色は苛立ちが
隠すことなく込められている。
そんな中、梓もその場に居たのか
壁に背を預けて静かに傍観していた。
男は真輝斗の殺気の混もった目と
グググと力が強められる掴まれた手に
冷や汗を流すばかり。
━━━パリィーン!!!
ガラスの割れた音が
屋敷中に響きわたった。
それに気をとられて、一瞬力を緩める
真輝斗にすかさず、男は手を振り払う。
そして今まで微かにしか感じられなかった
“悪魔”の気配に、真輝斗は舌打ちを
して男を睨むと、音のした方へ向かった。
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