D・W

□Episode.14
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『───キヒヒッ!何とか出られたゾ…
 まさかエクソシストが来るとはナァ…

 まあ、イイヤ。早く移動しなくちゃナ』



黒いスーツを着ていたボディーガードの
男の姿は“悪魔”に変化していた。

悪魔はその場から移動しようと止まらずに
走り続ける。



悪魔の真横に建つ建物の真上に
居る黒い
存在にも気づかずに──。




「止まれ、堕ちたモノ…。


 お前を此処で…消す。」



 『──!! だれダ!?』


突然上から声が降ってきたのに
バッと上を向く悪魔。

そこには三日月を背に屋根の
上に立つ二つの影が。

一つは少女…『黒』だ。
そして、もう一つは『夜』。
夜はいつもの様にフードを被っていた。



『…だれダ、お前ラ…。
 ジャマ、するナ!!』


一瞬で夜たちの目の前まで跳び、
攻撃しようと手を振りかざす悪魔。



  ヒュッ……ドン!!!


だが、瞬きする間もなく
一瞬で地面に叩きつけられる。

悪魔は呆然と何が起こったかもわからずに
ゆっくりと起き上がり夜たちを睨んだ。



  「お前を消しに来た」



夜が静かに呟く。だがそれは
静かなこの場所ではハッキリと
辺りに響いている。




『お前ら…滅魔使の仲間カ?

 ……ナニモノだ!!!』


自分より、圧倒的な能を纏う二つの存在に
悪魔は力一杯に叫んだ。




「滅魔使なんかじゃない。


 オレ等は……
 お前と同じ“悪魔”だよ」



夜たちに叫ぶ悪魔に夜は一瞬で目の前まで
間合いを詰めると、
手に身の丈よりも大きな
漆黒の鎌を取り出した。



『ッ…、オマエはシニガ…』ザンッ!!


その最後の言葉に夜は目を鋭くさせて
悪魔を大鎌で狩りとった。

それは ほんの一瞬──。


そして最期に悪魔は見た。


フードに隠れた夜の紅い左眼を……。

その紅い眼と、大鎌は自分の住む世界、
“魔界”で言わずとも知れた
存在がもつ“ソレ”だったのだ。









 ───悪魔に焼き付いたものは
 自分の存在を消そうと襲いかかってくる




 死を知らせに来た紅眼の













 “魔界の神”の姿───…。













 ───to be continued...













   嗚呼、哀しきかな。


  けっして 逃れることのできない
    漆黒の刃……




   けれども悪魔達は
  人を求めては闇から逃げ出す



   そんな悪魔達を処刑する

    哀れな神の子の流す

   紅い涙も知らないで━━━…。







    ***2011.09.11***
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