D・W
□Episode.24
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━━━━ザワリ…
全身が冷たくなるのを夜は感じる。
どこか心地いい冷たくなる感覚を。
「………っ、」
『もっと』と、その飛び散る血を求める
抑えられない衝動の不快感。
だけど、欲しい。と求めてしまう矛盾に
夜は気持ち悪さをその胸の奥に閉じ込める。
────ああ、何故
「はは…、怖いか?」
────笑いが込み上げてくる?
『ッ…、オマエも結局は
“オレら”と同じ存在なんだナ』
苦しさ混じりに、悪魔は笑う。
『敵』なんて関係ない。
『オマエも結局は』
お互いに求め合う
『“血”を求めるオレらと同じ』
同じモノを───
『堕ちた魔族なのさッ!!』
身の毛が粟立つくらいに
欲する………紅い血を。
「───違うな。」
悪魔の言葉を訂正する夜の声が飛び交う。
「“オレは”違う」
「不本意だが、“オレ”が
求めるのは、」
掴んだ鎌を、強く、強く握りしめる。
「お前達のような
堕ちたモノの“黒い血”だ」
夜の纏う空気が一瞬にして変わる───
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