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□Episode.38
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ドーーーン!!!
大きな爆発音と共に、建物は僅かに震える。
「ミラ…。外は一体
どうなっているのですか…?」
一つの広い空間で、澄んだ女の声が
響き渡った。
その声は、とても心配そうに発せれる。
「…悪魔共が愚かにも
此処を襲撃しているのです
只今、滅魔使が総出で敵を
殲滅にかかっているとの事」
姿勢よく片膝をついたミラは、窓の外を
静かに眺める女性…ガイアに
今起きていることを淡々と告げた。
「! 魔族を、殲滅…!?」
驚愕に目を見開き、問い返すガイア。
「ガイア様、
奴等を魔族≠ニ呼ぶのは
間違っています…っ
奴等は、獰猛で
穢れた存在ですよ?!」
床についていた膝を上げ、
ミラは手を横に振りかざす。
「現に奴等は、今こうして
我々の聖地を
尽く荒らしている!!」
「ミラ。それは違うわ」
真剣な眼差しのガイアに、
ミラは言葉を詰まらせるが 落ち着きを
取り戻すため、一息つく。
「…貴女はこの場から
決して動かないようにと
命令が下っています」
どこか苦しそうな面持ちで伝えるミラを
見たガイアは、苦笑を零すと
「…大丈夫です
────もう、
逃げたりしませんから」
儚く笑ったガイアの姿を
頭に焼きつけて、
ミラはその空間から足を踏み出した。
ギィィ…━━━━バタンッ
「……アリス─────」
ガイアが外を眺めながら、ポツリと呟いた
言葉は、窓の外で降り注ぐ音により
静かにかき消えていった────。
────to be continued...
固く、固く閉じられた扉の奥は
何人も居らず
ただ大きな広い窓に映るは
降り注ぐ天の恵みである雨と
酷く哀しげに憂いを帯びた
白を身に纏う 女の儚い横顔
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