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□LIE STORY
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    「────元気だなー。」










聞こえてくる騒がしい声。
目を木から離さずに、言葉を零す。












    「朝陽さん。この飾りは
     ここで宜しいですか?」








真正面にある大きな木越しで
自分の名を呼び、問いかけてきた声に
朝陽は、上半身を真横に傾け
声の主が示す場所に目を向けた。





    「んー。もう少し上の方で」





朝陽は問われた場所より数センチ離れた
何本にも別れた上の枝に指を差す。


それに応えるよう、ルイは朝陽が差した
場所に、赤く丸い飾りが垂れ下がった
紐を枝に上手く吊るした。








   「皆、ルイさんを見習ってくれたら
    有難いんだけどなー…」





短く溜め息をついた朝陽に
謙遜の声を苦笑混じりに返すルイ。





今、真面目にクリスマスパーティーの
作業に取り組んでいるのは
朝陽とルイ、そして晴輝だけだ。

他は 好き勝手に走り回るものも居れば
無関心に寛ぐ者も、そして嫌々
作業に没頭するものも居た。

勿論、我関せずとこの場にすら居ない
中年オヤジ(朝陽曰く)も。























何だかんだで騒がしくも、作業は
真面目に取り組んでいた者 数名により
予定とは異なり、遅くも無事終わった。





言わずとも、勿論
準備を一切手伝わなかった者は
晴樹から 極上の罰という名の説教が
贈られたなどは、また別の話。


























     ━━━━ガチャ




    「────ほっほっほ


     ホワイト
     メリークリスマスじゃのぅ」





愉快に笑いながら、パーティー会場と
なった場に足を踏入れた人物。








    「お。じーさん
     遅かった、な………?!」






老人の声にいち早く気づいた朝陽は
扉の方へ振り返ると、
目にした老人の姿を見て唖然とした。

それは、この場に居た全ての者にも同じ。









    「え…、サンタクロース…?」






その場にいた者 全員に代わって
疑問を零した颯。







    「そうじゃよ。
     クリスマスだからのぅ」






似合うかの?

と楽しそうに尋ねる老人一人。


皆は、始めは驚いたものの
直ぐに慣れると、似合うと褒め称える。







    「────あぁ、
     忘れるとこじゃった」







その言葉が紡がれると、皆 何だと
疑問符を浮かべた。

老師は肩に背負っていた
大きな白い袋を取り出す。







    「儂からのプレゼントじゃよ」






袋から取り出されたのは、
綺麗な用紙に包装され
赤いリボンで飾られた大きな箱。


何が入っているかは分からないため
一部の者は、歓喜の声を上げた。

だが、箱の中身は皆目見当がついていた。


何故なら、箱からは 甘い匂いが
漏れていたからだ。









    「甘い香りがするー♪」





    「ぅげ。まさか、ケーキ?」






目を瞑って、漂う香りを堪能する白と
箱を凝視しながら、苦々しい表情を
露にするジン。







    「老師、この箱を開けても…」







晴樹は箱から老師に視線を移したが
老師が立っていた場所には
もう、その姿はない。


誰もが その神出鬼没さに
ある意味 感心の声を零す。









    「おっ!でかいケーキだな〜」





    「摘まみ食いはするなよ?」





目を輝かせる颯と白に、朝陽は苦笑して
注意の言葉を投げ掛ける。

大きく美味しそうなケーキを前にして、
若干 興奮気味な二人には
届いていないだろうが。








    「取り敢えず、人数分に
     切り分けましょうか」





既に切り分けるために準備をするルイの
正確な対応に、朝陽と晴樹も頷く。










    「────出来ました」




手際よく切り分け終えたルイの言葉を
聞いて、待ち遠しく
目を輝かせたままだった颯と白が、
一人一人 皿に乗ったケーキを自身の元へ
配られたと同時にケーキを
一口 口に運んだ。








     「おいしいーっ♪」





     「うめ〜〜!!」





二人の声は、ほぼ同時に発せられた。
周りの者達は その光景を眺めながら
二人と同じようにケーキを口に運んだ。



ジンは、甘いケーキは嫌いだ。と
言いながらも、一口食べると美味しい、
信じられないと言った表情をしながら
食べていた。


今回、ケーキを食べなかった者は
まず始めから準備すら参加しなかった
甘いもの嫌いの真輝斗と
何処へ行ったのか…、この場に居ない
狡牙だけだ。
























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    「さて、最後は
    プレゼント交換≠セよな?」




















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