D・W U
□Episode.41
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しばらく路地裏を歩いていき
何処に繋がっていたのか、森に抜けた。
それを、迷うことなく歩み進め
ルイが持ち主の、今では家≠ナある場所へ
夜と颯は辿り着く。
「目、覚めてるかな〜?アリス」
眠り続ける少女の姿を、瞼の裏に映し
颯は零す。
それは、夜も同じ。
ガチャ━━━━━
何も颯の問いに答えることもなく
夜は入口の扉につく取手を掴み引いた。
今、この場で起きている事など
もちろん知る由もなく─────。
「────! 冬夜、颯っ」
廊下を少し歩き、大きな扉を開けた先に
居たのは、悲し気に歪むマリアと
そんなマリアを宥めるルイの姿。
マリアの様子を一番に
反応したのは、颯だった。
「────は!?
どうしたんだよ、マリア!」
行き場のない両手を、動揺に震わし
困惑する颯とは違い 冷静さを保つ
夜は、マリアに問う。
「……アリスさんが
何処にも居ないんです…」
一息吐いて、マリアは形だけの
冷静さを取り戻す。
それを気遣ってか、ルイが静かに告げた。
「!!」 「な…!?」
二人が驚くも束の間。
ガタンッ
「マリア、ルイ!
アリス 戻ってきたっ?」
焦りを帯びた白が、部屋に入ってくるなり
マリアに尋ねるが 亜璃朱はもちろん
この場には居ないため
マリアは首を横に振るしかない。
「葵、有難う。…茜は?」
「クロは、僕と二手に別れて…
僕の分も、アリスを捜してるよ」
汗を袖で拭う白が紡ぐ言葉に
今まで、茫然としていた夜は我に返ると
「────っ…!!」
突然、夜の背筋が嫌に凍った。
それを感ずいた夜は、急いで扉へ向かう。
「冬夜…!?」
突拍子もなく走り出した夜を
マリアや颯、白が追いかける。
僅かに躊躇う気を
見せたルイもその後を追う。
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