Extra
□One day of rabbits
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The feeling of Thank to you.
The words of Thanks to you.
The bouquet of Thank to you.
I love it.
Always Thank you.
キシッ━━━━━
茜が寝返りをうったことで
ベットは軋み立てる。
不意に、ゆっくりと閉じていた瞼を上げ
茜は目前にあった
静かに寝息を立てる葵の寝顔に思考を
覚醒させていく。
腕をベットに立てて、体を起こすと
窓を隠すようにあるカーテンの隙間から
漏れる朝を報せる光に茜は、眩しそうに
目を少し細めた。
「…………。
────あお、い…」
寝起きのためか、活路が回らない声で
同じベットの隣で眠る
葵の肩を弱めに揺さぶる。
「ん〜〜…。
なぁに…? あかね…」
重々しく瞼を上げると、葵は欠伸を漏らし
目元を擦った。
「……朝。」
「本当だぁ…。
起きないと、ねぇ…」
そう言いながらも、また目を瞑る。
言葉とは裏腹な行動をとる葵に
茜は何も言わず、ただその様子を
眺めるように見ていた。
「…あ!そうそう、」
突拍子もなく 葵は、ベットに座りこむ
茜の手を自身の方へと引く。
━━━━━ポスッ
引かれる方へ倒れた茜は、先刻まで
眠っていた自分の枕に、再度
飛び込む形となる。
「眠る前にね、
いい事思いついたんだぁ
あのね────」
そう言って、茜の耳元で
思いついた案を囁く。
葵と同じように、茜も両肘を立てて
その提案を聞き終えると、小さく頷いた。
「じゃあ、決まり♪
そうと決まったら急ご!」
先程までの気だるさを含んだ
動きは何処へやら。
葵は、起き上がると布団から抜け出して
身支度をしようと動き出す。
つられるようにして茜も、用意していた
自身の服に手を伸ばしていた。
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「早く朝食、食べに行こ…あっ
茜、ボタン留め間違ってるよ」
茜の手を引いて 部屋を出た葵。
振り向き際に、茜の服に付いてある
ボタンが一つ留め
間違えていたのに気づく。
「ちょっと、ごめんね?
────よし、これで大丈夫♪」
「……ありがと…。」
「────?」
ボタンを間違えなく留め終えた葵は
茜が遠くを見ている事に気づき
その目線の先を辿った。
「あ───。 颯だぁ」
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