D・W U

□Episode.37
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     「♪〜…────」






鼻歌を紡ぎながら、空を仰ぐ一人の少女。




長く伸びる枝から生える、木の葉たちの
隙間から見える晴天────。


少女は 眩しい光に目を細めながらも
空を自由に飛んでいく鳥を見つめる。
歩く道の先など、見ようともしない。



その道の前に、はばかる木があるのにも
勿論気づかず 少女は夢中で
広い空を眺め続ける。











木に衝突するまで後三歩程度。

























    「────ぶつかるで。」


























     Episode.37
     【杜の護り人】



























     「………へ?」





突然耳に届いた警告の声に、少女は
無意識に足を止めた。






足を止め、前を見たことで
やっと目の前にある障害物に気がついた
少女は、さほど驚く素振りも見せず
ただ不思議そうに見つめるだけ。








     「……誰か居るの…?」








目の前に立ち塞がる木に手をついて
少女は、辺りを見回す。

だが 周りには誰かが居た形跡はなく
ただ風が木々を揺らし、ザワザワと
音が鳴り渡っていた。






そして、気づく。


あんなにも、晴天の空から届いていた光が
大樹たちに遮られ、
辺りが薄暗くなっているということを。



自分が何処にいるのかも判らずに
少女は、不思議そうに周りを見渡す。














    「何や、アンタ。…ヒトか?」









ふとすぐ近くで、そんな問いが聞こえ
木の根元辺りに向けていた目を瞬時に
その声の方向に向けた。














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