D・W
□Episode.20
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Episode.20
【ハジマリの会議】
ガタンッ!
「───……。」
鍛練場の扉が突然に音をたてて開いた。
その開いた扉から現れたのは
難しい表情をした朝陽。
「…おかえり、朝陽」
静まり返った場で、唯一 声をかけたのは
壁に背を預けて座っていた瑞穂だ。
「…おう」
その薄く浮かべた笑みに、他の者も
はっと気づき、口々に朝陽に声をかけた。
「悪ぃ。俺、もう行くわ」
【黒の聖職者】は後で
いつもの処に集まってくれ
そう言い残して、朝陽は
その場を出ていった。
「───朝陽サンって
【黒の聖職者】のリーダーなんスよね」
あの人が戦っているとこ
見たこと無いんですけど。
その突如 その場に響き渡った声の
主は、朝陽が去った扉から現れた。
どこか馴れ馴れしい口調で。
「? 誰ですか?」
晴樹にずっと尋ねていた青年が
隣にいた男に問う。
それに男は、あー、アイツは…
と言葉を濁す。
「…またお前か。」
声色を一気に低くした晴樹は眉を潜めて
此処に入ってきた少年を見た。
その少年はニッと悪戯に笑う。
「───うっス。ハルさん」
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