D・W
□Episode.24
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Episode.24
【制御を失いし魔神】
『キエロ…ッ!!』
───フ…、
「お前がな。」
悪魔の言葉を嘲笑いで流して、夜は
漆黒の大鎌を手元に出す。
━━━━ダンッッ
それが、合図。悪魔は、地を蹴り
夜へと一直線に飛びかかる。
その眼は、夜の持つ鎌へと警戒の色を
宿していた。だが、それを悟られまいと
悪魔はごく自然に目をそれから逸らす。
「………。」
夜は降りかかる攻撃を、流れるように
避けながら、それをしっかりと
見抜いていた。静かに、小さく笑みを零す。
『───ッ!!』
悪魔は、鎌への警戒を忘れなかったため
右から振り上げられた鎌の刃に気づき
受ける前に、避ける。
自分が避けた事に 心の中で静かに
安堵していた悪魔に
「そんなに怖いか?“コレ”が」
『何だと…ッ?』
挑発的に笑って鎌を持ち直す夜の言動が
気に障った悪魔は、その挑発に
ぴたりと地に着地して、止まると
眉間の皺を寄せた。
───思った通りだ。
先程の奴と違って冷静な奴…。
夜は、心中で先程 ギリギリまで自分に
襲いかかろうとしていた悪魔と目の前の
悪魔を比べていた。
亜璃朱が来るまで、自分に向かってきていた
悪魔は、本能のままに動いていた。
それに対し、こいつは少しは、先の悪魔と
同じところがあるが、“冷静さ”と
言うものがあるらしい。
夜は静かにそう解釈する。
『…ああ。怖いさッ
“それ”はオレらの存在を消すことの
できる『死神の鎌』なのだカラッ!』
これ程までという位に目を開かせて
訴えるかのように、口を開いて声を発する
悪魔に夜は、そう…だな。と目を伏せた。
「…お前はその『死神の鎌』に
消されるんだよ…」
立っていた場所から、夜が消えて…否、
移動した夜の声が自分の真横に聞こえ
悪魔は、その立ち位置に危険だと
態勢が崩れても尚、必死にその場を
離れようと横に地を蹴り跳ぶ。
夜は、その間に出来た隙を見逃さず
素早く鎌を振った。
━━━━ザシュッ!
深く切れただろうその音と、重いものが
地面に落ちた音がその場に響いた。
『…ッッグアッ!!!』
「………。」
悪魔の右腕が地面に落ちた音と
その切り口から、飛んだ黒い血が
夜の頬に数滴つく。
夜はそれを拭い取ろうともせず、ただ静かに
目の前で腕を押さえる悪魔だけを
見据えていた。
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