■ 連載 Maison ■

□東の国物語
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むかしむかしのお話です。

広い大陸の東方に、三つの国がありました。
コプ、パク、ソニの国はそれぞれが独立した国でしたが、長い戦争の時代を経て、パクの偉大な王ジニョンにより一つの大きな国として治められたのです。

そして、その国は「東の国」と呼ばれることになりました。コプ、ソニの王と王妃は、家臣の陰謀や病に倒れすでに亡くなっておりましたが、偉大な王ジニョンは、自分の子供達をその子供達と分け隔てなく育て、いかに戦わずして共存するかを徹底的に教育しました。

そして死の床でこう言いました。

「もう戦いはお終いだ。これからはコプ、パク、ソニの直系を順に王、または女王とする。私亡き後、まず偉大なる師の息子ウヨンをこの国の相談役とし、チャンソン、まずはお前がこの国の王となるのだ。メイリン、そなたがチャンソンを支える妃となり、ニックン、そなたはこの二人を守る騎士となるのだ。よいな?」

まずウヨンが父の後を引き継ぎ、政を占う偉大な占い師となりました。そしてウヨンは次期王のための戴冠式、そして王妃を娶るための結婚式を任されることとなったのです。

しかしウヨンを悩ますことが一つありました。
それは偉大な占い師であった父が、息を引き取る前に言った一言でした。

「王冠の周りを羽ばたく白鳩が、赤い林檎を盗んでいくであろう。」

何か悪い予兆なのでしょうか。
ウヨンはこのとてつもない試練を重く受け止めました。

「この国の平和を守るために、私に何ができるのだろう?」

ウヨンは、悩み続けました。
そして若き王と騎士のために、それぞれに優秀な魔術師を付けることにしました。
偉大な王ジニョンの夢を叶えるためです。

三つの国が一つとなり、東の国の平和維持のために努めること。そして他国に侵されることなく独立を守ること。

若き占い師ウヨンは、新しい「東の国」の未来を担う三人の運命を憂う度に深いため息をつくのでした。
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