闇に咲く一輪の華
□第一話:薔薇姫、三代目と出会う
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かつて、人は妖怪を畏れた。その妖怪の先頭に立ち、百鬼夜行を率いる男――…人々はその者を妖怪の総大将―――…あるいは、こう呼んだ―――…
魑魅魍魎の主、ぬらりひょんと―――――…
『はぁ…今日もいい天気だなぁ…』
私は、屋敷の玄関先で空を見上げながらそう呟いた。
華「そうですね。今日は屋上でお昼に致しましょうか」
蕾「お!いいな、それ」
それに私の側近である桜華と桜蕾が続いて屋敷から出てきた。
『それもいいかもね。さて、それじゃあ行ってくるとしますか。花魄、留守番よろしくね』
花「はい、行ってらっしゃいませ、姫様」
中学生のセーラー服から変わって、ブレザーになった高校生の制服を翻しながら、私…“白露華蓮”は、双子を連れて附属の浮世絵高等学校へと向かった―――――…