廻る廻るメリーゴーラウンド

□廻る廻るメリーゴーラウンド
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暫く行くと同じ制服を着た連中がちらほら見えるようになっていた。小走りだった足を緩める。
(参ったな…)
夢見が悪かったからだろうか。まだ頭が鈍く痛む。まわりの雑踏の声がガンガン頭に響いて額に脂汗がにじむ。
う、とうとう目眩までしてきた。思わず立ち止まる。
どんっ―
私が突然立ち止まったので背後から歩いてきた奴と肩が軽くぶつかる。
「貴様、こんな所で突然立ち止まるな。」
「…すまないね」
人が頭痛に苦しんでいるのになんて言い方だ。内心舌打ちしながら振り返れば私とぶつかったらしい男子と目があった。
細い白銀の髪を形容し難い髪型に整え、眼光鋭いその双眸は明るい鳶色、不健康なまでに白い肌。
―…私はこの男を知っている
何故だかそう思った。その途端頭痛が酷くなる。
膝から力が抜け、立っていられない。思わず地面にうずくまる。
「おい、貴様…!」
彼の言葉と同時に私の意識はブラックアウトした。




「ヤレ三成、睨み付けただけで気絶させるとは。主はとうとう神通力でも手にしたか」
「違う!…それより刑部、この女」
「ほう…巡り合わせとは誠奇なる物よな。…ヒヒッ。とりあえず、運びやれ三成」
「…分かった。」
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