風と共に・・・

□序章
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 20**年、人類はついに仮想空間を実現した。
 その仮想空間を舞台に繰り広げられるゲーム「ソードアート・オンライン」。
 5月にゲームが販売される訳だが、販売される店では3日前から待っていた人がいるほどの大行列。俺ーーー兵藤雪次は当選したβテストのゲーム引換券を使い、堂々と「ソードアート・オンライン」を購入した。
 早速、俺は様々な準備をし、午後一時に始まる正式サービスの開始を待つことにした。
 今は午前十一時、俺は昼食を取っていた。

「なあ〜、兄さん〜、いいだろ〜?ちょっとだけ!!ちょっとだけだからさ〜!!貸してくれよそのソードアート何とかってやつ。」

俺の三つ年下の義弟にあたる兵藤一誠ーーーイッセーが買ったばかりのゲームを貸して欲しいとねだっている。イッセーも近くの店に買いに行ったらしいが、購入はできなかったようだ。 
 イッセーが義弟というのは本当の家族とは訳あって、今は離れて、一人っ子だった母の従姉妹にあたる兵藤家に世話になっている
 今はイッセーの義兄になっている。小学二年から分けあってこの家に居候し苗字もこの家の苗字を名乗っている。
 その訳はイッセー以外はすでに承知済みで、俺の本当の正体(・・・・・)も知っている。
 俺は龍の神と呼ばれる龍神の血を引く父ととある名家の陰陽師の母から生まれたハーフで、母の親戚の兵藤家に成人に成るまで面倒をみてもらっている。
 一応戸籍上はイッセーは俺の義弟になっていて、イッセーの両親も俺とイッセーの両親になっている。
 ちょっと話を脱線させすぎたので話を戻すが、俺はイッセーのねだり攻撃を交わし、自分の部屋がある二階へあがる。 
 全く、普段はエロ妄想しかしない中二病の男子なのに、今回はなかなかしつこかったな。それ程人気で面白いからな、これは。 
 俺は枠千人のβテスターに選ばれ2ヶ月間「ソードアート・オンライン」をプレイしていた。
 その期間中、イッセーに貸していたときは、大変だったことを思い出す。
 まあとにかく、午後一時、俺は「ソードアート・オンライン」をするとき使用するヘッドギアである、「ナーヴギア」をかぶり、顎下で固定アームをロックし、開始コマンドである、《リンク・スタート》の一言を唱えた瞬間、ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー景色が変わった。




様々な線が走り、行程をクリアして、キャラネームに「YUKIHISA」と入力して、いよいよ、ゲームの中にでる。

そこは、もうすべてがデジタルデータで構成され、忠実に再現された異世界であった。
 
 

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