ハイスクールD×D 鯉物語
□第弐話
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朝、誰かに揺すられて俺は目が覚める。
目が覚めると目の前にはお袋の姿があった。
お袋の名は、奴良 桜。
前世の俺のお袋、珱姫に瓜二つの女性である。
丸い黒目に腰まである、長い黒髪。そして、桜の花弁が入った桃色の着物を着こなしている。
「何時まで寝ているのですか?鯉判。」
少し怒った表情を見せて言う、お袋だが、その怒った表情は逆に可愛く見えてしまっていてあまり迫力がない。
俺は渋々布団を出ると、朝食を取るため広間へ向かう。
広間に向かう途中、妖怪達や悪魔達と挨拶を交える。
こいつ等は、俺がこの世界に来てから仲間になった奴らだ。
俺がこの世界に転生させられて十数年の頃から自分たち(・・・・)以外の人外の存在を知った。
そして、こいつ等はその(・・)人外の存在の奴らだ。
しばらく廊下を進むと広間についた。
広間には、俺と、既に席に着いていたお袋と親父だった。
親父は、ぬらりひょんだ。
しかも、前世の若かりし頃の親父にこれまたそっくりだ。
白と黒の長い髪は重力を無視したような髪型で髪先を一つに縛ってあり、金色の瞳に、着物はヤクザ者が着そうな物だが、控えめな色の着物を着て食事をとっていた。
これは、一体何の巡り合わせなのだろうか。そんな事を俺は偶に思う。
朝食を食べ終え、登校の準備を終えると俺は玄関に来る。
「そんじゃ、行ってくるぜ。」
と、いつものように言うと玄関を出た。