ハイスクールD×D 鯉物語

□第弐話
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 家を出て早数分。
 俺は周りが騒がしくなってきた。
 騒ぎの中心を見るとそこには、昨日、話し掛けて来た女とあの時、黒い翼を生やした変質者に刺されていた筈のイッセーの姿があった。
 雰囲気的に話し掛けにくいな。まあ、後でイッセーに話を聞くか。
 俺がそう思っていると、不意に後ろから肩を叩かれた。

「よっ、鯉判。」

俺が後ろを向くとそこには、

「ああ、狒々か。おはよう。」

俺は狒々がいた。俺は狒々に挨拶を返す。
すると、狒々は俺の肩に腕をかけて俺以外に聞こえない位の声で話し掛けて来た。

「ボソッ)おい、鯉坊や、こいつぁ一体、どいうことじゃ?。
何でまた、イッセーがあの悪魔と歩いて居るんじゃ?」

「ボソッ)知るかよ、そんな事。まあ、強いて言うなら多分、あの女とイッセーは仲間だな。」

俺は静かに笑む。

「ボソッ)え!?、そうなのか?」

「ボソッ)ああ、・・・でもまあ、そんな事より、イッセーが無事で良かったじゃねぇか。今は少なくとも喜ぶべきなんじゃねぇか?。」

「ボソッ)ふむ、そうじゃな。」

狒々は俺の意見?に納得の様子で頷いた。
 そして、俺たちはイッセーが玄関前でリアス先輩と別れ、教室に向かおうとする所へ、気配を消して近づいた。
 すると、イッセーは横から現れた松田に殴られた。松田は目から血涙を流していた。
 おいおい、大丈夫か?あいつ。
と、俺は少し引きながらもイッセーにゆっくり近づいて行く。
 元浜も現れて何かしゃべって、イッセーが、「お前ら、生乳見たこと有るか」何て言って、松田と元浜の二人に戦慄が走っている様子だったが、俺は気にせず、イッセーの背後に近づいた。

「よっ、イッセー、朝からリア充してんな、このっ。やるじゃねぇか。」

俺はイッセーの後ろから現れ、イッセーの脇を小突いた。

「おわっ、何だよ、鯉判。気配無く俺に近づくなよ。
 それに俺、先輩と登校中、周りにいた皆から殺気や嫉妬が飛んできて、おまけに悲鳴があちこちから飛んでて、リア充ライフところじゃなかったんだぜ!?。」

イッセーが必死に否定しているが、周りから見たら、信じがたい光景だろ、あれ。
 友人にこんな事を思うのはなんだが、この学園の中で悪名高い変態三人組の一角のエロの権化と呼ばれている、兵藤一誠が、学園の二代お姉様の一角、リアス・グレモリーと一緒に歩いていたら、まあ、そうなるわな、そりゃ。
 まあ、基本イッセーはエロの権化だが、根は良い奴だから、友人やってるんだがな。
 でもな・・・、エロい所を無くせばマシになると思うんだが・・・。まあ、それだとイッセーの特徴が一般人(・・・)から見たら無くなっちまうから困ったもんだな。
 俺がそう考えていると不意に視線を感じ、学校の玄関先にある中央階段の二階の手すりに手をかけ、此方を見ている二人の女生徒。
 片方は、紅髪が特徴のリアス・グレモリー先輩。
 もう片方は、黒髪に短髪のメガネを掛けた、支取蒼那先輩。
 二人とも、学園で人気が高い・・・らしい。
 そんな二人が俺を見ている。まあ、大抵、予想は付くが。

 俺と狒々は構わず自分の教室へ向かうのだった。
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