ハイスクールD×D 鯉物語

□第五話
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鯉判が戦闘した翌日の夕方。
 鯉判は古びた教会の前に立っていた。その後ろには、イッセー、木場、小猫、リアス、朱乃がいた。
 話は数時間前に遡る。

ーーーーーーーーーーーー

「よう、お前ら、帰ったぜ。」

鯉判は背にアーシアと、気絶させ拘束したミッテルトを背負ってリアスたちがいる部室に顔を出した。

「アーシア!!」

鯉判の背に背負われているアーシアに気づいたイッセーがアーシアの元に駆け寄る。
 アーシアはゆっくりと緑色の瞳を開け、イッセーを見る。

「・・・イッセー・・さん?」

イッセーに気づいたアーシアがイッセーの名を言うとイッセーは涙を流す。

「・・・どうしたんですか?イッセーさん。どうしてそんなに泣いているんですか?」

アーシアは不思議そうな顔をする。

「よかった、・・・よかった、・・・無事で・・・うっ。」

そこへイッセーの肩に手がおかれる。
ーーー鯉判だ。

「よかったじゃねぇか。アーシアが無事でよ。」

鯉判はイッセーに手を置くと、そう笑いかけた。
 三人が喜びの余韻に浸かっていると、その三人に話しかける者が一人。

「ちょっと二人共?。喜ぶのは良いけど、これからの事、・・・ちゃんと考えてる?。」

それはリアスだ。
リアスは迫力のある、満面の笑みで鯉判たちに聞いた。

「いんや、なんにも。」

それに呆気なく答える鯉判。
それを聞いたとたん、オカルト研究部の面々(イッセーをのぞく、)は一声に溜息を吐いた。

「はぁ、やっぱりそうなのね?。」
  
リアスは溜息を吐きながら、そう言うが、

「いや、冗談(笑)。」

鯉判はニヤっと満面の笑みを見せながら、言った。

「・・・バカにしてるの?」

「(^_^)(_^_)コク(^_^)
ま、そんなことよりも、こいつに聞いてみないか?。」

鯉判はリアスの言葉を軽くスルーして、話を持ち出した。
軽く無視されたリアスはプルプルと怒りに身体を振るわせ、木場と朱乃がなんとかリアスをなだめていた。

「こいつって!・・・誰?」

「駄展翅(だてんし)。」

「字が違う!!」

「あ、起きた。」

鯉判がボケをかますと同時にミッテルトが起きて早々突っ込みを入れた。

「よっ、おっはー。」

「あ、おっはー・・・じゃないわよ!!
・・・ってか、ここどこ!?ってわあああ!!な、何か周り悪魔だらけなんですけど〜、マジあり得ない〜。」

と、パニックを起こすミッテルト。

「騒がしいな。」

と鯉判がぼそっと一言。

「「誰のせいだと思ってるのよ!!」」

と、リアスとハモるミッテルトだが。

「知らん。」

と、一蹴り。

「バカにしてるの?いえ、バカにしてるわね。バカにしてるわよね?。」

ゴゴゴと言わんばかりの圧力怒りがリアスから発せられる。顔は笑っているが目が笑っていない。

「さぁ?w(・д・)w」

ーーーブチッ

鯉判が冗談で返すと、太い縄が切れる音がどこからか聞こえてきた。

「ムキィィーーー。
祐斗、小猫、離しなさい!!。
鯉判とは一度、O☆HA☆NA☆SIしないといけないわ。」

今にも鯉判に襲いかからんとばかりの勢いのリアスを木場と小猫が必死におさえる。

「ダメです!!部長。話が進みません。」

「・・・部長、落ち着いて下さい。」

木場と小猫がリアスになだめるように言った。

「話して頂戴。これ以上耐えられないわ!!」

涙目になって周りに訴えるリアス。もはや、その表情は年頃の女の子だ。
 
 この後、数時間かけて、リアスをなだめ、説得して今に至る。
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