ハイスクールD×D 鯉物語
□第壱話
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僕ーーー木場祐斗は、試合を終え、剣道部の部長さんにお礼を言うと、奴良君の後を追った。
「・・・あれ?おかしいな・・・。」
僕が剣道部の道場を出て一番最初に出た声だ。
あれ?、確か奴良君が出てからすぐに出たつもりなんだけど・・・どこ行ったのかな?。
僕が周りを見渡して見るものの、奴良君の姿はどこにもなく、近くに居た人に聞いても、気が付かなかったと、言っていた。
可笑しい。
僕が思った事だ。
可笑しい、僕は確か奴良君が出た後、剣道部の部長さんにお礼を言いながら奴良君をすぐに追いかけたつもりだったんだけど・・・、道場を出た時には、奴良君の姿はもうどこにもなかった。そして、近くにいた人はそれに気付かなかったという。
普通なら(・・・・)彼が道場から出た所を目撃している人がいても可笑しくない筈。それなのに誰も見て居ないとなると、彼は魔術やそれの類を扱える者か妖怪ぐらいだろう。
僕は僕が入っている部活、[オカルト研究部]の部長にこのことを話した。
「ふ〜ん、力を抑えてたとは言え、私の眷属の[騎士(ナイト)]である、祐斗に勝なんて・・・何者なのかしら?奴良鯉判・・・」
と、呟く血のような紅髪彼女の名は、リアス・グレモリー。二大お姉さまの一人で、僕が所属しているオカルト研究部の部長であり、僕の主のである。
因みに、オカルト研究部は全員、[悪魔]だったりする。
もちろん目の前にいる部長も悪魔ある。
あ、部長の表情が変わった。
恐らくあの表情は何かを狙っているみたいだね。
う〜ん、察するに奴良君の事だろう。
「う〜ん、奴良鯉判、・・・興味深いわね。」
あ、やっぱり。
「あらあら、いかがなさいましたか?部長?」
と、部長に話しかけたのは、学園二大お姉さまの一人、姫島(ひめじま)朱乃(あけの)先輩だ。オカルト研究部の副部長を勤める部長の懐刀だ。
因みにここの部室には僕、部長、朱乃さん以外にもう一人居る。
「・・・部長、何企んでるんですか?。」
今、呟くように言った子が、もう一人の子、塔城(とうじょう)子猫(こねこ)ちゃんだ。
「企んでるって、人聞き悪いわね。ただ、その子をどうしようかなって迷ってただけよ。」
部長はその後、何か作戦を時々口にしていた。
・・・奴良君、部長に狙われちゃってるけど・・・頑張って。
僕は心でそう思うのだった。