短編小説

□食事は許可を取ってから
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風香side






「お............い..........きろ」





ある晴れた日の朝まどろみぎみの頭にハスキーボイスで艶のある声が自分に降りかかってくる声が微かに聞こえてきた






―――んっ〜もうちょっと寝かしてよ






「お.......い..........は.............へっ」





―――何いってるか全然わかんないし





「ち............の...........ぞ」






―――ん?なんて?







がぷっ







ぢゅーっ





いきなり首筋に何かが咬みついてきた





―――いっ!?






「いっ!!..........いったぁぁぁああい!!」






バチン!!!!




























「いつもいってるでしょ!?血を吸うときは私の承諾を取ってからって!!」





「だから今さっきPepmissionをとったじゃねぇか!!」





「それは私が寝ぼけてた時でしょ!!目を覚ましてから声を掛けなさいよ!!」





「腹が減って我慢できなかったんだよ」




ペロリと口の周りに付いた真新しい鮮血の血を舐めとるその姿は何とも厭らしくて妖艶だ




「それよりも、いくらなんでも殴る事はねぇだろ!?」





よく見ると膨れっ面な政宗の頬には痛々しく真っ赤な手形の跡が付いている




――――あれこれデジャヴかしら???確か前にもこんな事があったような気がする




「私のほうがあんたよりよっぽど痛いわよ」




「おいまだTo eatの途中だったんだから血吸わせろ」




「はぁ〜いいわよ」




政宗の尖った歯が風香の首筋まで近づきおもいきり歯を立てる





ガプッ




「っっ!!??」




やはりこの痛さにはまだ慣れない、例えばまるで太い針を刺されたような
その部分だけがやけに熱を持ってるみたいにすごく熱い




ぢゅー




しかもこの血を啜る音がなんとも生生しくて頭がおかしくなりそうだ







「やっぱり何回飲んでもお前の血はSpecialでDeliciousだな」




ぢゅーっぢゅーっ




「っ!?ちょ....っと!!........いつ.....まで...........す.....きよ!!」





血を吸う時間はいつも長いが今日はその倍いつにもまして長い





――――こいつ!!




しかし政宗は一切聞く耳をもたず血を吸うことに夢中になっている






―――――ヤバイこのままじゃ!!






いつか貧血になって自分は倒れてしまうんじゃないかとぼんやりとした頭の片隅で考える





最近は貧血にならないために鉄分やタンパク質が含まれている野菜やレバーをたくさん摂取して補っているのに
政宗は自分が仕事の時は朝と晩で我慢をするのだが休みの日には朝、昼、晩と三食分血を吸うそのためこちらも体力を奪われてしまう
よく自分は今の今まで倒れなかったものだと感心する







「ま....さむ.......ね......もう....おわ.....りよ!!」






チュッ





リップ音を鳴らして咬みついた痕から溢れ出てくる血を舌で器用に舐めとる





ピチャ




ピチャ






「っっ!!.......うっ!!」





最後に一舐めしてからやっと顔が離れた





今日は一段と食事が長かったため意識を失ってしまった





意識を失う前の最後に政宗の声が聞こえてきた





「うまかったぜ風香」





こちらの気も知らず政宗はうってかわって満足げな声と満面の笑みが最後に見えた






―――――このヤロー後で覚えてなさいよバカ政宗





その言葉を最後にとうとう気絶をしてしまった





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