*本編*【立海】
□-最終章-*END1*
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関東大会が終わってから、ちょうど一週間が過ぎようとしていた。
だが、終わったからといってのんびりとはしていられない。
なぜならば、数週間後には全国大会が待ち受けているからだ。
すでに、レギュラー陣は頭を切り替え練習に打ち込んでいる。
今年の立海大付属中の全国に向けての意気込みは、今までとは異っている。
理由は、単純明快。
関東大会決勝戦、立海大付属中の関東17連覇の夢が途絶えてしまったからだ。
対戦相手の青春学園に2-3と惜しくも敗れ去った。
王者立海、常勝立海が当たり前となり、関東中学テニス界でもそれがほぼ定着しつつあった時のまさかの敗退。
彼らはどんなに惨めで、悔しかったであろうか。
その悔しさをバネに屈辱を果たすべく、いっそう練習に打ち込んでいる。
そして、もう1つ彼らの意気込みには理由がある。
それは部長、幸村精市の復帰であった。
命がけの手術が奇跡的に成功をし、彼は見事に身体の筋力が低下し動かなくなるという難病を克服したのである。
今は、全国大会に向けて病院でリハビリに励んでいる最中だ。
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