*本編*【立海】

□エピローグ
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だんだんと肌寒くなる9月中旬。



雲はどんよりとしており、今にも雨が降りだしそうである。



だが、我が立海テニス部には天候などもはやなんの関係もない。


今日も、真田の怒号が聞こえるなか、ハードな練習メニューを2年生中心で行っていた。



3年生は、本来ならば全国大会を最後に引退なのだが、U-17に招待された為、未だ在籍し練習に励んでいる。



そして、今、3年生は休憩中であった。



次期立海テニス部を担うレギュラー候補である2年生の練習記録をつけ終えた梓は、キョロキョロと辺りを見渡していた。



仁王「そんなキョロキョロして、どうしたんじゃ?」

「……ッ!あ、ううん何でもないよ〜」


いきなり声をかけられて、ふいをつかれたのか慌てふためく梓。


彼女の頬は徐々に朱色に染まってゆく。



ははんと仁王は彼女の探しているものがなんなのか、直ぐに察しがついた。



仁王「そういえば、『赤い髪の男』がさっき部室の隅でなんかこそこそやっておったの〜チラッと見ただけじゃったから誰かは認識できんかったが……」



仁王は何気なさを装った言い方をする。


が、『赤い髪の男』という部分はわざとらしく誇張をするのを忘れない。



梓から視線をそらしつつ、横目で彼女の様子を伺う。



「あ、へえ〜そ、そうなんだ〜誰なんだろうねその人は…」


あきらかに動揺している様子に思わず吹き出しそうになる。


仁王が必死に笑いを堪えていると、ふいに横からポンポンと肩を叩かれた。



見ると、ジャッカルが横に立っていた。



ジャッカル「(小声)おい、柿原をあまりからかってやるな。」


咎めるような口調に仁王も素直に頷く。


仁王「(小声)…悪かったのう…じゃが…」


仁王は、再び梓に視線を戻すともうそこには彼女の姿はなかった。


部室がある方角を見ると、こそこそと辺りを伺いながら部室へと向かっている梓の姿があった。


彼女の様子はあきらかに挙動不審である。



くくくっと、今度は声に出して仁王は笑う。


仁王「…あの2人を見てると飽きんくてな…」


再び、くくくっと笑い出す仁王にジャッカルは思わずため息をついた。




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