*本編*【立海】
□-最終章-*END2*
1ページ/5ページ
ついに、関東大会決勝。
ダブルス1.2が少々苦戦しつつも、青学に勝利したため、立海の優勝を確信した梓は試合が終わった丸井、ジャッカル、柳生、仁王と共に手術が行われる病院へと向かっていた。
運よくタクシーを捕まえることができ、助手席に座った梓は祈るように手製のお守りを握りしめていた。
後部座席では、ジャッカルが逐一試合の流れを切原に聞いている。
今は柳の試合だが何やら接戦らしい。
会話という会話もせず、車内は重苦しい雰囲気に包まれていた。
柳生「………後、5分ほどで手術が始まりますね。」
柳生が腕時計を見ながら、独り言のように呟く。
仁王「……残りの3人は間に合わないのう。」
窓の外を眺めながら仁王は返答した。
丸井「まだ、柳の試合は終わってないの?」
視線を助手席に座っている梓に向けながら、隣のジャッカルにたずねる。
ジャッカルは、ちょっと待てといい携帯を開いた。
その様子を横目で見ていた丸井は、ふとジャッカルの顔色が変わったことに疑問を抱いた。
柳生も同じだったのだろう。
2人してジャッカルの手元の携帯を覗き込んだ。
液晶画面には切原からのメールで一言
『柳先輩、負けました。』と書かれていた。
柳生「………柳君が負けたのですか。」
丸井「じょ、冗談だろィ…」
2人は信じられない面持ちで顔を見合わせる。
ジャッカル「いや、本当だろう。………となると次は赤也だな。」
「嘘…負けたの、柳君……」
それまで黙って聞いていた梓が青い顔で後ろを振り返った。
手術が始まる直前の悪い報告に、梓はますます不安になる。
昨日は、幸村を安心させたくて手術は絶対成功する!って断言したが、いざ始まるとなると、悪い結果ばかり考えてしまい、不安で胸が押し潰されそうになっていた。
…