ザ☆ドラえもんズ

□授業中
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「…ふぅ、やっと解き終わりました。しかし簡単な問題なのに、やたら問題量が多いですね」


黒板につらつらと書いてある問題をノートに写して、全て解き終えてから、肩の前に垂れてきていたオレンジの三つ編みを後ろに追いやり「ふぅ」と一息つく。



することもなく、暇になってしまったために、何気なく辺りを見回してみる。


1番後ろの席ということもあってか、みんなの様子がよく見える。
1番最初に視線が向かった先には、燃えるような赤がいつものごとく机に顔を埋めて肩を上下に揺らしている。


「…あのバカ、また授業中に居眠りなんかして。毎日毎日、よくあれだけ眠ってられますね」


目を離す前、彼、エル・マタドーラに小バカにするような視線を送りつけてから、他のメンバーに視線を移す。



ドラえもん…は、机にきちんと向かってはいるが問題が解らないのか、透き通るような青い色の髪を時々、訳がわからないとでも言うように揺らすだけでノートに答えを書いている気配はない。


しかしドラえもんのように、しっかり悩んでもわからなかった、という人には後で勉強を教える気になりますね。


どっかのおバカさんみたいに、授業も真面目にやらないで寝てばかりいる人には、絶対教えてやりませんよ。


心の中でそう決意しながら、制服の中で1人だけジャージを着用しているドラリーニョに視線を向ける。



後ろからしか見えないので、彼が今なにをしているのかわからないが、隣にいるドラメッドが小声で注意しているところから見ると、授業に関係ない何かをやらかしているんだろう。


おおかた、ノートに黒板の内容も写さないで、大きく落描きでもしてるんでしょうが。



ドラメッドも大変なんですね、と1人同情めいたものをしてから、一番前のドラニコフの席を見る。


彼は、教室の中でまでマフラーを巻いていて暑くないのだろうか?

そんなことを気にする素振りもなく、黙々と授業に打ち込んでいる。
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