ザ☆ドラえもんズ
□ストレスと睡眠不足
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それは、学校が終わってから寮で過ごしていた時のこと。
ふいに、机に向かって勉強していた王ドラが、ベッドに横たわって目を瞑っていたオレに話しかけてきた。
「エル、貴方最近きちんと睡眠をとっていますか?」
それは本当に突然の問いかけで、一瞬どういう意味で質問してきたのか分からなかった。
確かに、最近のオレは自分でも驚くくらい寝ていない。 というか、眠ろうと瞼を閉じても眠れないのだ。
何故か、と聞かれても自分自身、その理由が分からないでいた。
仲間たちに言ったところで心配をかけてしまうだけだと思い、ここ数日眠れていないということは言わないでいたし、上手く隠せていたと思う。
なのに、何故こいつは気づいたんだろうか。
驚いたように王ドラを見やると、机に向けていた体を椅子ごとこちらに向かせ、『質問に答えろ』とでも言いたげにオレを見ていた。
「なんで、お前はオレが寝てないって思ったんだ?」
質問にはあえて答えず、こちらも思った疑問を投げかける。 意識せずとも、こちらを見てくる視線と目を合わせられなくて動揺しているのがバレてしまいそうだ。
そんなオレを見てか、王ドラが前に垂れてきた長いみつあみを後ろに追いやりながら、わざとらしく呆れたようにため息をつく。
「そんなの、見てればわかりますよ。 顔色も悪ければ反応も遅い、挙げ句フラついているんですから。 気にかけて欲しくて、わざとアピールしてるんじゃないかと思いましたよ」
最後の一言は心外だが、それにしてもさすが、こいつは医者を目指してるだけあんのな。
ちょっと、相談ついでに話してみるのかもいいかもしれない。
「そうか、分かりやすくしてたつもりはねぇんだがな。 お前の言う通り、最近何故か全然眠れねぇんだよ。
どうしたらいいかねぇ?」
「そんなことは知りませんよ」
…冷たい。 即答だったぞ今。
王ドラ、お前はどうして悩んでいる友達に対してそう冷たいかね。
そもそも、そんな反応薄いんだったら聞くなっつの!
そんな意味も込めて、再び机に向かう奴を見ていると、「ですが、」と向こうを向いたまま続けた。
「エル、貴方は疲れやストレスを誰にも言わないまま溜め込んでいるんじゃないですか?」