ザ☆ドラえもんズ
□羨望【リクエスト品】
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授業終わりのチャイムがなってから、自分の隣の席で気持ち良さそうに寝息をたてている赤い髪を一瞥した。
「エル。エル・マタドーラ。もう授業終わりましたよ。お昼休みも寝ている気ですかあなた」
一応、肩をトントンと叩きながら何度か声をかけてみるが、赤い髪の男、エル・マタドーラは、一向に起きる気配がない。
ふぅ、と小さく溜め息をついたあとに「もう知らないですよ?」と言う言葉を発した時、横から大きな声がした。
「おい、何してんだ?早く昼飯食おうぜ。他の奴等もう屋上に行っちまったよ」
そう言いながらやって来たのは、キッド。
「あ、すみません。皆さんのこと待たせてしまって」
困ったように笑いながら私がキッドにそう言うと、「それは大丈夫大丈夫!」と言ってから、未だ寝息をたてているマタドーラに視線を移す。
「なにコイツ、起きないの?ったくよ、どんだけ寝れば気がすむんだっつーの!」
そう言いながら、キッドは笑ってマタドーラの肩をペチンと叩いた。
すると、先程まで寝ていた彼が何やら呻きながら、机に伏せていた顔を上げた。
「…ん? 王ドラにキッド?…なんだ、どうしたんだ?」
まだ頭が起ききっていないのか、マタドーラはまわりを見渡しながら、寝ぼけた声を出した。
どうしたんだ、じゃないですよ。
あなたが授業もろくに聞かないで居眠りしているせいで、みんなが食事するのを待たせてるんですよ。
私は呆れたような顔を作り、その台詞を言おうと口を開いた。
が、それはキッドの声に遮られてしまった。
「どうした、って…お前なぁ。飯だよ、昼飯!他の奴等もう待ってるぞ。もしかして、授業の時間が分かんなくなるくらい寝てたんじゃねぇの?」
意地悪そうな笑みをエル・マタドーラに向けながら言い放ったキッドの台詞は、私が言おうとしていた台詞そのままだった。