Love alone
□プロローグ
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「ゆ・・・き・・・?」
学校から家に帰ると、家は火に包まれていた。
家の中には、最愛の弟が寝ているはずだった。
「ゆきぃっ!?!?」
頭が真っ白で、何も考えられなくて。
家の中に入ろうとして、消防士の人に止められた気がする。
「しんじゃう、」
搾り出せたのは、そんなそんな言葉。
「ゆきぃぃぃぃぃっ!!」
次に逢ったとき、最愛の弟は真っ黒で、本当に弟なのか分からなかった。
お母さんは見るなと言った。
お父さんは隠そうとした。
私は暴れた。
ちゃんと、弟の姿をみたかった。
見て、後悔はしなかった。
「あぁ・・・ゆきは、死んじゃったのか。」
理解した途端、スッと心が冷えた。
「もう逢えないのか。」
頭の中が、グラグラと揺れた。
「・・・」
何も、考えられなかった。
否、考えたくなかった。
私はあの日―――・・・
すべてを、失ったのだ。
最愛の弟の死をきっかけに、私は変わった
。