まこ様との生活

□4 パパ、とママ
1ページ/1ページ

「あっ!麻也お兄ちゃん、おはようっ!」
「おーみこちゃん!おはよう。」


麻也の笑顔は癒される・・・


「早いな、みこちゃん」
「まことさんが早いからね!」


えっへん、と胸をそらすと頭ナデナデされました。
あ、ちなみに誠さんはアップに行ってていないよ!


「おはよ〜麻也、みこちゃん・・・」
「あ、うっちー!おはよう。」
「篤人くん、おはようっ!」


そして今私がいるのは、裏口のところ。
更衣室とかにつながってるドアです。

てか、うっちーのストール萌・・・
ちょっと眠そうな顔っていいよね!


「今日もえいじさんに会えるかな。」

二人と中に入って、廊下を歩く。

「みこちゃん、川島さんが一番好きなの?」
「うんっ!代表のなかで一番好きだよ!」


なんてったって、キーパーだからね!

そして何気なくうっちーの手を握ると握り返してくれました。
・・・今なら死んでもいい・・・!

全国のうっちーファンの皆さん!ウッチーの手は柔らかくてあったかいです!
そしてすべすべ!!

女の子顔負けだよ!←


「みこちゃん、俺も〜!」
「麻也は左手ー。
 篤人くんと、麻也お兄ちゃんと家族つなぎ〜!」


うははっ!
右手にうっちー左手に麻也ってw
なにこのサンドイッチ、おいしすぎる!


「俺がパパ?」


家族の言葉に反応したのか、うっちーが聞いてくる。
だが違うぞ!


「んーん!麻也お兄ちゃんがパパで、篤人くんがママ!」


うわwうっちーがママとかw
淡白そうなママだな。家事とか全部麻也任せだよ、篤人ママ。


「麻也が旦那?・・・ないな。」
「うっちーが嫁って・・・絶対俺任せでしょ!ゼッテーやだ!」

「ママ抱っこーw」
「もーみこはしかたないな!」


うわお!うっちーが乗ってくれたよ!
乗らないかと思ったのに!

うっちー本当に無駄なお肉ないね、腕カッチカチやで。


「みこ、パパはー?」
「・・・誰が誰のパパだって・・・?」
「「「!!」」」


魔王キターーーー(゜∀゜)ーーーー!!
中の顔文字違うけど気にしない!


「麻也、言ってみて?」


あら、目が笑ってないよこの人。
しかも黒いオーラが見えるよ幻覚かな←


「え、えっと・・・あの・・・」


麻也真っ青でしどろもどろだよ・・・!
しかたない、麻也のためだ!

必殺扇!・・・間違えた奥儀!


「う、うわぁぁぁんっ!!」
「!?み、みこちゃん!?」


いきなり泣き出した私に驚くうっちー。
ごめんね、うっちーちょっと我慢して。


「みこ!?どうした!?」


動き早っ!!


「う、うぅっ、ヒック・・・ま、まこがこ、こわいかお、してるんっだもんっ・・・!」


必殺☆幼い子のマジ泣き!

理由メチャクチャだけど、五歳だもん!
許されるはず!


「ご、ごめんみこっ;
 今のは麻也に怒ったんだよ;」


あは(゜∀゜)
許されたぜベイベ☆


「こ、こわかっ・・・もんっ・・・!」
「びっくりさせたな、ごめんな。」


いつの間にかうっちーから長谷部さんに抱っこされてました。

これで麻也は大丈夫だよねw
あぁ、なんて便利な涙腺←


「もう、おこっちゃだめだよ・・・?」
「うん、もう怒らないよ。」
「あとで麻也お兄ちゃん呼び出したりしたら、麻也おにいちゃんのおよめさんになるからね。」


釘はしっかり刺すべし。
ほら、ギクッてしてるよ。
アンタのことなんて、お見通しなんだからね!←


「わ、わかった・・・」


つーか、嫁にいける様になるまで後何年かかると思ってんの?
少なくとも、後10年以上かかるからね。
今五歳だから。

そして、二人は着替えるために途中で分かれて、長谷部さんに抱っこされたままピッチに行きました。

そしたらあらびっくり!川島さんがいました!


「えーいじさーんっvV」
「ッ!?み、みこちゃん!?おはよう、早いね。」


長谷部さんの腕から降りると、マッハで永嗣さんの足にタックルしました。

あ、ごめんなさい。痛かった?

悪気はないんです。←


「おはようっ永嗣さんっ!」


ヤバイカッコいい、ヤバイカッコいい、ヤバイカッコいい!


「こらみこちゃん。
 練習のジャマはダメだろ。」

「!」


脇の下に手を入れられ、ひょいっと持ち上げられました。
肩越しに振り返ると、困ったように眉をひそめる麻也が。

あれ?誠さんは・・・
・・・うわ。見なきゃ良かった。

いい大人が体育座りして芝生にのの字書いてた。

それでいいのか長谷部誠(28)!!


「ごめんなさい・・・永嗣さん、麻也お兄ちゃん・・・」


シュン、とすると永嗣さんが笑って頭を撫でてくれた。


「いいよ。
 ベンチで大人しくしててね?」


笑顔で頷くと、麻也が降ろして背中を押してくれた。
てゆうか、アナタ着替えるの早いね。


「(永嗣さん、優しいなぁ・・・v)」


ベンチに座って、先ほどの「吉田家」を思い出す。


「(麻也がパパで、うっちーがママか・・・
 すんごい料理上手なパパだな。)」


うっちーは・・・キャリアウーマンだな。
家は家!仕事は仕事!ってはっきりしてそう。

家に仕事は持ってきません!みたいな・・・
うわ、完璧なる男女逆転家族やww

麻也が専業主夫やってるよ。どーするよ吉田家!
って、吉田家って・・・どこの牛丼屋だよw

一文字違いじゃねぇかww


「麻也ー、ご飯まだー?」
「うっちー早いね!もうちょっと待っててね、もうすぐだから。」


みたいなw

・・・あはんっvV

「お!みこちゃんやん!
 おはようさん!」

「―――!」


ザキオカパパ!


「おはようございますっ・・・っと・・・」


・・・。
そういえば、私自己紹介されてなくない?
すごいぞ私。よく踏みとどまった。
危うく「ザキオカさん」っていう所だったよ。


「あ、俺の名前か?
 岡崎慎司やで。好きなよーに呼んでええよ。」


「ほんとっ!?じゃあねぇ・・・ザキオカさん!!」

「・・・。みこちゃん・・・まぁええか・・・」


・・・。
待て待て待て。
ザキオカさんの笑顔に癒されてたけど、ちょっと待て。
ザキオカ、アンタなぜ私の名前知ってるんだ。

長谷部さんが自慢でもしたのか。(ブログです。)


「みこちゃんおはよう、今日も来たの?」
「―――!りょうくんっ!おはよう!
 昨日TV出てたね!」


いつの間にか練習に戻っていたザキオカ。
後ろから亮くんがきました。やっぱ可愛いね!←


「見てくれたの?」
「うんっ!後半のクロスすごかったよ!
 かっこよかった!」


満面の笑みでそういうと、宮市が照れた。
やばい、可愛い、何この生き物←


「ありがとう、みこちゃん。」


頭を恐る恐る撫でてくれました、本当可愛いな←


「じゃあ、俺練習行くね。」
「うん!またお話しようね!」


宮市・・・何か純情ボーイだね!
可愛いね!


「(・・・パパ、とママ、か・・・)」


宮市の背中を見たら、弟たちを思い出した。
そして、まだ顔を思い出せない両親のことを思い出した。


「(帰れる、かなぁ・・・)」


長谷部さんのところでの生活に、不満はない。
これは嘘じゃないし、本音だ。

・・・だけど。

帰りたい。
私のいた所は、長谷部さんのお家じゃないから。


「・・・うわっ!?」


バサッと目の前に広がる白色に驚く。
白を掴むと、タオルだと言う事がわかって、パサリと膝に落ちた。


「・・・?」


誰だろう、と思って顔をあげると・・・

本田さんでした。


「・・・泣くな。」


ぽんぽん、と私の頭を撫でてピッチに上がっていった。


「・・・!」


泣きそうな顔、してたのかな。

・・・ありがとうございます、本田さん。


頭にかけられたタオルで、少しだけ溢れた涙を拭いた。

                               つづく

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ