テニスの王子様【長編】

□第3話
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「お疲れ様ですっ、宍戸さん」


「お、わりぃな」



休憩時間になって間もなく


大量のタオルと飲み物入りのボトルの入ったカゴを手に持ち、やって来た○○から、各ひとつずつ、それらを受け取った宍戸。



「はいっ、鳳君も」


「有難う。それにしても重そうだね…俺も持とうか?」


「あ、ううん!大丈夫!こう見えても力には自信が―あっ、向日さーん!!」



言っている途中にも関わらず、レギュラー陣の1人が目に入るなり、その人の元へと走って行った○○。

そんな○○を、2人は苦笑しながら見つめていた。



「ったく、忙しねぇ奴だな」


「ははっ、でも賑やかで良いじゃないですか」


「まあ、そうだけどよ…」



「おっ、わりぃな!」


「いえいえっ。ぁ、日吉君もっ」


「ああ…悪いな」



こうして、やっと空になったカゴを見て、嬉しそうに笑みを浮かべる○○。

だが実は、レギュラー陣全員に配ったわけでは無かった。



本当は、跡部さんにもお疲れ様です!って言って配りたいんだけど…

跡部さんには、もう先輩方が付いてるから、なぁ…



チラリと目を向けた○○の先には、跡部とその周りに集まる複数の先輩マネージャー達の姿があった。


跡部は別として、楽しそうに笑みを零す先輩マネージャー達。

そんな様子が酷く羨ましく思えた○○だったが、
相手は先輩の上に、自分はあくまでも新人であった為、ただそう思うだけでいた。
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