テニスの王子様【長編】
□第5.5話
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氷帝学園に入学して、早一ヶ月が過ぎた頃
もうすぐ、学生にとっては憂鬱以外の何にでも無いテストというものが始まる為、勉強の為に学園の図書室を訪れていた…のだけれど―
「(……駄目だ、全然解らないっ)」
思わず机に顔を伏せて、頭を抱える。
その原因は、下敷きになった問題集にあった。
それは、数学の先生から出されたテスト当日までの課題なのだけれど…
見ての通り、ほとんど真っ白。
解答はあるっちゃあるけれど…見ても、どうしてそうなるかが、イマイチよく分からない。
…やっぱり、先生に教わりに行こうかな
や、でもよく考えれば、今日休日だし……
「――自力でするしかないか!」
気を取り直して、問題に取り掛かる。
ナニナニ、横のグラフのACDの面積を求めなさい…かっ。
えっと、まずはこのそれぞれのグラフの式を求めて……
―――って、あれ?
どっか間違ってるのかな…割り切れない……
「んー…」
「何、1人でうなってんだ?」
「!あ、跡部さん…!」
振り返るとそこには跡部さんがこちらを見下ろして立っていた。
1人だなんて珍しい……あれ?これ、前にも言った?
――あ!
「跡部さんから話しかけて下さるだなんて珍しいですね!(キラーン)」
「…とりあえず、俺の問い掛けに答えろ(キラーン、じゃねぇ)」
「えへへ…実は、」