テニスの王子様【長編】
□最終話
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目が覚めるとそこは、ベッドの上だった。
思わず手を掲げ、視界に映すと共に、グーパーの動作をしてみる。
私…生きてたんだ……
手を横に置き、ぼーっと天井を見上げる。
懐かしい…夢を見てた気がする。
恐ろしくも、幸せな…ひと時の夢を……
「そうだ、ストラップ…!」
はっとして身体を起こし、辺りを見回すけれど、周りは真っ白なカーテンで囲まれていた。
そう言えば、ここは…?
私、プールに飛び込んで…それで……
「お、やっとお目覚めか?」
「!」
突然、シャっとカーテンが開いたかと思えば、丸眼鏡が特徴的な忍足さんが姿を現した。
ユニフォーム姿の忍足さんがいるって事は…ここは医務室…?
「あ、○○ー!良かったー!俺、死んだかと思ったCー!」
忍足さんの後ろから、突然出て来たかと思えば、抱きついてきた芥川さん。
「だから生きてるって言ったろ?ったく、人の話位、ちゃんと聞けっての」
「そう言う向日も最初は全く話を聞こうとしなかったけどね」
「っるせぇー!」
カーテンを開ききり、突如して姿を現したのは、向日さんと滝さんだった。
あれ?今日って部活の日だよね?
皆さん揃って、どうしてこんなところに…?
そんな事を考えていると、ふとカーテンの向こうにある入り口がガラリと勢いよく開く音がした。
「ちょっ、宍戸さん!大きな音立てちゃ駄目ですって!!」
「るせぇー!おい、●●は!?」
「見ての通りや。もう意識は戻って、身体まで起こしとる」
「そうですか。良かった…」
「全っ然、良くねぇ!!おい、●●ー!」
「はい!?」
わっ、宍戸さんたら凄い剣幕…!
何?私、寝てる間に何か怒らせる事でもしちゃったの!?