テニスの王子様【長編】

□最終話
1ページ/5ページ

目が覚めるとそこは、ベッドの上だった。

思わず手を掲げ、視界に映すと共に、グーパーの動作をしてみる。


私…生きてたんだ……


手を横に置き、ぼーっと天井を見上げる。


懐かしい…夢を見てた気がする。

恐ろしくも、幸せな…ひと時の夢を……



「そうだ、ストラップ…!」



はっとして身体を起こし、辺りを見回すけれど、周りは真っ白なカーテンで囲まれていた。


そう言えば、ここは…?

私、プールに飛び込んで…それで……



「お、やっとお目覚めか?」


「!」



突然、シャっとカーテンが開いたかと思えば、丸眼鏡が特徴的な忍足さんが姿を現した。


ユニフォーム姿の忍足さんがいるって事は…ここは医務室…?



「あ、○○ー!良かったー!俺、死んだかと思ったCー!」



忍足さんの後ろから、突然出て来たかと思えば、抱きついてきた芥川さん。



「だから生きてるって言ったろ?ったく、人の話位、ちゃんと聞けっての」


「そう言う向日も最初は全く話を聞こうとしなかったけどね」


「っるせぇー!」



カーテンを開ききり、突如して姿を現したのは、向日さんと滝さんだった。


あれ?今日って部活の日だよね?

皆さん揃って、どうしてこんなところに…?


そんな事を考えていると、ふとカーテンの向こうにある入り口がガラリと勢いよく開く音がした。



「ちょっ、宍戸さん!大きな音立てちゃ駄目ですって!!」


「るせぇー!おい、●●は!?」


「見ての通りや。もう意識は戻って、身体まで起こしとる」


「そうですか。良かった…」


「全っ然、良くねぇ!!おい、●●ー!」


「はい!?」



わっ、宍戸さんたら凄い剣幕…!

何?私、寝てる間に何か怒らせる事でもしちゃったの!?
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ