テニスの王子様【羽哉】

□暑い、熱い…
1ページ/1ページ

「○○ちゃん、暑ーい…。」


「そう思うなら離れて下さい。」



Aー、ヤダCー…

なんて言って、また、私の首に回された手に力がこもる。

私は、こっそりと心の中で、溜め息をついた。


学年が違う為、昼休み位にしか会えず…。

そして、何故か会えば必ず、こういう状態になってしまう…のだけれど、



「(暑い、なぁ…。)」



まだ春だというのに、まるで夏かのように暑い今日。

なのに、相変わらずこうして抱きしめてくる慈郎さんは、
よほど、こうしてるのが好きなんだなぁ…と思う。


勿論、それは、彼女としてはとても嬉しい事なのだけれど…

こう暑かったら、やっぱり、それに伴って出てくるモノが気になると言うか…



「(汗臭いだなんて思われてたらどうしよう…。)」



そう思ったら、居ても立ってもいられなくて…

どうにかしてこの状態から逃れようと、私は、咄嗟に口を開いた。



「あのっ…慈郎さん?」


「んー?なぁにー…?」


「その体勢、寝にくくありませんか?膝貸しますから、横になって下さい。」



あくまでも気遣いを装って…。

我ながら、結構、上手い事言えたかな、と
ちょっと安心していたら、慈郎さんからは思いがけない言葉が返って来た。



「んー…今日は、こうやっていたい気分だからE−やぁ…。」


「ぇ?で、でも…。」


「俺さぁ…こうやって、君の首元に顔を埋めるのが好きなんだよね。」


「―っあ…、」



ちょっ…そんなことしたら、余計、臭いが…!!



「大丈夫だよ。○○ちゃんは、いつでもEー匂いだから。」


「っ…ほんと、ですか?」


「うんっ。」


「っ……、」



カァと顔に熱が集中するのが分かった。


ああ…やっぱり……


































暑い、熱い…
「○○ちゃん、顔真っ赤だCー。」

「(だっ誰のせいで…!)」

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ