テニスの王子様【羽哉】
□暑い、熱い…
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「○○ちゃん、暑ーい…。」
「そう思うなら離れて下さい。」
Aー、ヤダCー…
なんて言って、また、私の首に回された手に力がこもる。
私は、こっそりと心の中で、溜め息をついた。
学年が違う為、昼休み位にしか会えず…。
そして、何故か会えば必ず、こういう状態になってしまう…のだけれど、
「(暑い、なぁ…。)」
まだ春だというのに、まるで夏かのように暑い今日。
なのに、相変わらずこうして抱きしめてくる慈郎さんは、
よほど、こうしてるのが好きなんだなぁ…と思う。
勿論、それは、彼女としてはとても嬉しい事なのだけれど…
こう暑かったら、やっぱり、それに伴って出てくるモノが気になると言うか…
「(汗臭いだなんて思われてたらどうしよう…。)」
そう思ったら、居ても立ってもいられなくて…
どうにかしてこの状態から逃れようと、私は、咄嗟に口を開いた。
「あのっ…慈郎さん?」
「んー?なぁにー…?」
「その体勢、寝にくくありませんか?膝貸しますから、横になって下さい。」
あくまでも気遣いを装って…。
我ながら、結構、上手い事言えたかな、と
ちょっと安心していたら、慈郎さんからは思いがけない言葉が返って来た。
「んー…今日は、こうやっていたい気分だからE−やぁ…。」
「ぇ?で、でも…。」
「俺さぁ…こうやって、君の首元に顔を埋めるのが好きなんだよね。」
「―っあ…、」
ちょっ…そんなことしたら、余計、臭いが…!!
「大丈夫だよ。○○ちゃんは、いつでもEー匂いだから。」
「っ…ほんと、ですか?」
「うんっ。」
「っ……、」
カァと顔に熱が集中するのが分かった。
ああ…やっぱり……
暑い、熱い…
「○○ちゃん、顔真っ赤だCー。」
「(だっ誰のせいで…!)」