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□僕はまだ戦うから
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「ごほっ、ごほっごほっごほっ」


夜中、目が覚めた


吐き気を覚え起きてみると血


こんなの、毎日の事で


自分が情けなくなるのも毎日の事


千鶴ちゃんにそのことをしられちゃったんだよね・・・


「まったく、もう・・・」


僕は血を吐きながら苦笑した


彼女が好き


そんなこと僕はとうの昔にわかってる


僕の結核がなおらないかな・・・


なんて甘いことを言いたくなったのは彼女の精でもあるんだよ?


僕の命なんか惜しくなかった


近藤さんのためなら投げ出せた


けど・・・


今は、違う


何でこんなに千鶴ちゃんが愛しいのかなんて僕には想像の仕様がないよ


けど・・・


好きなんだ


もうなにも要らない


彼女がいるのなら


僕が人を好きになるなんて笑わせるけど


好き。千鶴ちゃんが。


******


もう、春なんだね


僕は外をフラフラと歩きながら思う


結核は今は落ち着いてるし、風は暖かいし大丈夫だろう


「あ、総司ーっ!!」


騒がしいなと思ったら平助だった


「どうしたの、元気ハツラツだね」


まったく元気すぎて僕は少し引き気味。


「いや、千鶴がお茶入れたから来ないかって」


千鶴、と聞いて僕も黙っちゃいられない


「うん、じゃあ今行くね」


「総司の好きな金平糖もあるんだぜ!!」


僕は少し驚いた


平助が僕のために金平糖を出す、訳がないと思ったから


「金平糖?」


それとなく、聞いてみる


「あぁ、千鶴が!!」


おかしいと思った


僕は千鶴ちゃんに金平糖が好きなんて一言も言ったことないのに・・・


「千鶴ちゃん、金平糖好きなこと知ってるんだ」


「なに言ってんだ総司、お前が千鶴に言ったんじゃないのか?」


不思議がる平助


・・・はっ、と思い当たる点があった


前、一緒に金平糖を食べたことがある


大好きなんて一言も言ってない


けどきっと僕は美味しそうに食べてた


・・・勘違い、なのかな


もしもよく見てたり観察力があったり・・・少しの異変でも気づくのなら、好きだとわかる


千鶴ちゃんは・・・僕の事・・・


───なんて、僕の勘違いも腹立たしいかな


「そーじー?」


「今いくってば」


まあ・・・


少しの勘違いくらい、してもいいよね


*end*



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