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□++BL++
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*帰り道(おお振り/タジミハ)


「キスしたい」


部活帰りの途中、急に自転車を止めて田島君が言った


人気がない帰り道
空を見れば、瞬く星が綺麗で...

田島君と二人だけの静かな空間


あぁ、田島君は
こういう雰囲気の中で女の子とキスをしたいってことかな...


「あ..うん、そ..だね」


なんて答えればいいのか分からなかったけど、何か言わなきゃと思って答えた


「おっ!んじゃ、目ぇつぶれよっ」


「えっっ..たじっ..ま..」


田島君の顔がどんどん俺の顔に
近付いてきて...

俺は思わずギュっと目をつぶってしまった


何が何だか分からなかったけど、
自分の唇に当たった柔らかな感触で
田島君とキスしたんだろうなと思った


目を開けると、田島君は俺を真っ直ぐ見ていて、
目をキラキラと輝かせて言った


「三橋っ!!キスって本当にレモン味なんな!!!」



「えっ..?..あ..レモン..??」


田島君とキスをしてしまって頭が回らない・・・
えっと・・・レモン味・・・??


「..あっ!!..えっ..と..」


田島君の手には、さっきコンビにで寄り道して買ったアイスが溶けそうになっている

そのアイスは黄色で、
確かレモン味だったと思う


「ん?三橋?何だ?」


田島君は気付いてないんだ


「田島君の..ア..イス..レっレモン..」


「ん??...あーーーっ!!!」


気付いたかな・・・?


「しまったー!キスの味わからなかったー!!」


「あ・・・え..っと・・・くちびる..と、くちびる..同士だから..味分からない..かも..」


「おー!じゃ、大人のキスなっ!」


「おっと..な..?」


気付いたら、さっきとは違うドキドキするようなキスをしていて
生暖かいものが口の中に入ってくるのを感じた





あ。レモン味。








end.
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