雪色小説箱*

□下降速度
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はじめは
目に止まった
何気ない1人、
というだけだった。

視界に移る、数々の景色の中に
たまたま存在した、「君」

それは道端の花よりも
すぐに頭から消え去る姿だと
僕は勝手に思っていた。


でもその姿が
どうしても忘れられない。

何故だ。
何故こんなに
僕の胸は鼓動を速める?


相手は、
僕と同じ………




靡く黒髪が。
澄んだ瞳が。


…いつのまにか。

僕の全てを覆おうとしていた。
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