MainーNarutoー

□寒さなんて!
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人肌が恋しいこの季節。
吐く息が白く、マントだけでは寒すぎるくらいだ。

これで弱音を吐いてたら忍とは言えない。
だから我慢する。

「もう少しで雪降りそうだな、うん」

買い出しから帰る途中、少し曇っている空を見上げ呟く。
見上げた拍子に首元が開き冷たい空気が入ってくる。

「うぅ〜寒…くない!うん」

自分自身に言い聞かせ、顎を引くとまた歩き出した。


アジトに着くと真っ先にサソリの部屋に行く。

「入るぞー」

「ノックくらいしろって何度言ったら分かるんだ?」

「別にいーじゃんか。部品買ってきてやったんだぞ!うん」

傀儡のパーツを手渡すとデイダラはベットに腰を下ろした。

「ちゃんと言ったヤツ買ってきただろうな?」

「当たり前だ!」

サソリは部品を確認して机に置いた。

「傀儡のメンテナンスしないのかい?うん」

「ああ、先にやる事があるからな」

そう言うとサソリはデイダラの隣に腰を下ろし、デイダラの手を取った。

キョトンとしているデイダラの耳元に口を寄せる。

「寒かったろ?ありがとな…」

囁くように話すとデイダラは顔を真っ赤にさせた。

「べ、別に寒くなんか…!」

慌てるデイダラをサソリは抱き寄せた。

「お前はいつも痩せ我慢しすぎなんだよ。体冷たくなってるぜ?」

「うっ…」

寒くないと言えば嘘になる。
本当は凄く寒くて仕方なかった。

「大人しく抱かれてろ」

「旦那が言うと別な意味に聞こえる…」

「あぁ?何か言ったか?」

「なんでもねぇ!」

「お望み通り、抱いてやろうか?クク…」

「遠慮します!うん!!」

「そうか…ほら、もう暖まったたろ?」

サソリが離れる。
もう少しくっついて居たかったな。

「ククク…今夜抱いてやるから、そんな切なそうな顔すんな」

「なっ!誰がだコノヤロー!」

「もう少し…って顔してたぜ」

「くっ…」

図星で何も言えない。
そんなにオイラって分かりやすいか?

「メンテナンスが終わるまでそこで待ってろ」

そう言うとデイダラに軽いキスをした。

デイダラは頬を紅くし、コクンと頷いた。

コイツ…めちゃくちゃ可愛い…!

「やっぱこのまま抱いとくか」

「さっさとメンテナンスしろ!うん!!」

覆い被さってきたサソリを足蹴りして追い払った。

「チッ…」

サソリは渋々メンテナンスを始めた。
その様子を見守るデイダラ。

外では冷たい風が舞って窓をカタカタ揺らす。
季節は冬。
肌に突き刺さる寒さも2人一緒ならなんて事はない。
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