MainーNarutoー
□あ、枝毛。
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任務が終わり、傀儡のメンテナンスも一段落した。
時間は午後6時過ぎ。
夕食までまだ時間がある。
ゆっくり読書でもしようと思って本棚を見るが目当ての本が見つからない。
少し記憶を遡ってみる。
あぁ、アイツに貸したんだっけか。
他の本でも良い気がするが、気分じゃない。
仕方ない、返してもらうか。
それに長い事貸してる気がするし。
俺は部屋を出て相方の部屋へ向かった。
コンコンー
「はーい、どーぞー」
返事がしたのと同時に扉を開ける。
「サソリの旦那?どーしたんだ、うん」
「前に貸した本、返してもらおうと思ってな」
「ああ!そうだった!ちょっと待ってて」
そう言ってデイダラは本棚の辺りを探し始めた。
「片付けくらいしたらどうだ?」
「コレでも片付けてるつもりだ、うん」
「どこがだ…」
デイダラの部屋は乱雑に積み上げられた本に、本人は芸術と称している粘土の塊が散らばり、服も脱ぎっぱなしのお世辞にもキレイとは言えない有り様だった。
でも…デイダラの匂い。
デイダラの香りが充満する部屋は何故か落ち着く気がした。
だが、やっぱり散らかってると気分が悪い。
次の休みに掃除しよう。そして俺の第二の部屋にしよう。
心に誓ったサソリだった。
「ん〜こーゆう時に限って見つからねーんだよなぁ」
「ってかお前もう風呂入ったのか」
デイダラはラフな格好で首にはタオルを掛けていたが、髪の毛からは水が滴り落ちている。
「あぁ…任務終わってそのまま寝たら汗かいちまったから」
「悪ぃな。髪乾かすだろ?」
「旦那の頼みだからな!うん。それにオイラ髪乾かさないから平気だ!」
デイダラの言葉に俺は一瞬、脳の機能が止まった気がした。
え、ちょ…何て言った?
まだゴソゴソと本を探すデイダラに問い掛けた。
「お前…髪乾かさねぇの?」
「ん?一度も乾かしたことないけど?」
「はぁ?!マジで?有り得ねぇ!!」
「オイラはいつも自然乾燥派だ!」
確かに、任務中は俺が寝るし、ヤる時のデイダラは髪が濡れていて(濡れているほうが色っぽいから)終わったら疲れてそのまま寝ている。
アジトじゃ風呂は別々に入っているわけだし。
今までデイダラが髪を乾かしているのを見たことがないのに気付く。