MainーNarutoー

□暇ときどきHAPPY?
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あー暇だ。

任務がなくリビングでダラダラするしかやる事がない。

相方の角都は部屋で金数えてるし。

何もする事がないとたまの休日でもつまらない。

「はぁ…」

溜め息を吐いたら近くで粘土を捏ねていたデイダラが振り向いた。

「どうしたんだ?飛段が溜め息って珍しいな、うん」

まるで悩むことがないかの様な言い方だ。

俺をどーゆう人間だと思ってんだ。

「いや、暇でつまんねー…って」

俺が溜め息の理由を話したら、デイダラちゃんは青い瞳をキョトンとさせてから笑いだした。

「なんで笑うんだよッ!!」

「だって飛段でも悩むことがあんのかって思ったら、暇なことかよ!」

「これでもツライんだけど!それに俺だって悩みくらいあんの!」

「そっか、わりぃな!うん」

デイダラはニカッと笑ってまた粘土を弄り始めた。

「そーいえば、サソリはぁ?」

「旦那は朝から任務だ、うん」

「ふーん…デイダラちゃんは留守番かぁ。寂しくねぇの?」

「うーん。寂しくないって言ったら嘘だけど、旦那は絶対に帰ってくるって信じてるからな!だから待つ」

健気だね。
たぶん、サソリに家から出るなって言われてんだろな。
外で遊びたい年頃の子供が大人しくしてるなんて。

まぁ、デイダラちゃんは粘土があれば充分か!
俺は無理だけど。

俺がデイダラちゃんを見てると不意に振り向いて笑顔を見せてきたから少しドキッとした。

「旦那待ってる間コレ作って、旦那にあげるんだ!だから待ってるのも楽しいぞ!うん」

嬉しそうにまだ出来上がっていない粘土の塊を見せてきた。

俺は思った。

「ほんとにデイダラちゃんはサソリが好きだなぁ!」

「おう!パートナーだしな!」

パートナー?違うでしょ。
もっと別な意味の好き。

でもそれは言わない。

悲しく、切なくなるから。

「それに、飛段も好きだし角都も!皆好きだ、うん!」

デイダラの言葉に少し救われた気がした。

なぁーんだ。俺勘違いしてた?

サソリのデイダラに対しての独占欲と束縛を見てて、もう付き合ってると思い込んでた。

けど違った。
デイダラちゃんはまだ恋愛の『好き』に気付いてない。

まだサソリと俺は同じ好き。

「嬉しいこと言ってくれんじゃねーかよぉ!ゲハハハハッ!!」

「うわっ!?ヤメろ!」

嫌がってるけど聞こえない振りをしてデイダラちゃんの頭をクシャクシャした。

「飛段、任務だ」

角都が呼んでる。

「おう!今行くぜぇ!」

立ち上がった俺をデイダラちゃんが見上げた。

「暇じゃなくなって良かったな!」

「あぁ!でも…デイダラちゃんとなら暇でも苦にならねぇぜ?」

そうか?と言って少し照れてみせるデイダラちゃんは可愛かった。

「飛段!置いてくぞ!」

「あッ!待てよ角都ー!!」

角都に急かされ部屋を出た。

「遅いぞ。何をしていた?」

「別にー!」

「面白いことでもあったか?顔がニヤケているぞ」

「やっぱ分かるぅ?あのさ…」

「話さんくていい。イラつく」

「なんだよ!あ、サソリ」

任務から帰ってきたのか。

「あ?これから任務か?」

「あぁ。お前はご苦労たったな」

「別にたいしたことなかった。それより飛段。お前さっきからなに変顔してんだ?気持ちわりー」

まだニヤケてたらしい。
けど変顔って!

「はぁ!?殺すぞテメー!!」

「コイツはいつもこんな顔だ」

「か、角都ッ!!」

「あぁ。そうだったか、悪かったな。可哀想に…クク」

やっぱコイツ(等)ムカツク!!!


でも俺は知ってる。
俺とお前はまだ同じレベル。
余裕なのも今の内。

俺はジャシン様に誓った。

いつかあの笑顔を独り占めにする。
決してサソリには向かないで下さい。
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