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□愛とは?
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「愛ってなんだろうな」

「いきなり何です?」

「いや…ただなんとなくそう思った」

愛がなくても体は繋げる。
男同士でも可能な事も、知ってる。



燐が居るのは理事長、メフィストの部屋。
キングサイズのベッドのシーツにくるまっている。
もちろん、主のメフィストも隣にいる。
情事が終わった後で、二人はお互い裸のまま。

いつからこんな関係になったのか?
それは二人にも分からないし、もうどうでも良い事。

ただ興味があって。
シテみたらすごく気持ちが良くて。
もう何度目か分からないくらい抱き合ってきた。

でも、いくら悪魔の子と言っても今まで普通の人間として育てられてきた燐は罪悪感と後悔で苦しくなっていた。



いつまでこの関係が続くのだろう?



好きな者同士ならこんな不安もないし、抱かれても『切ない』なんて思わないのだろう。

燐とメフィストの関係は、メフィストが飽きた時点で終わる。
メフィストにとってコレは愉しい遊びでしかないんだ。

「どうしたのですか?泣きそうな顔してますよ?」

メフィストが優しく燐の前髪を掬う。

何を考えているのか解らないその表情の中にある優しさ。



お願いだから…これ以上優しくしないでくれ。



燐は本当に泣きそうになるのを堪えて枕に顔を埋めた。

いくら頭の悪い燐でも解っていた。
ただ体を重ねて、性欲を処理するだけだと思っていたのに。
いつからか、頭の中はメフィストで占めるようになって…もっと一緒に居たいと願うようになって。

捨てないで…って縋るようになった。


これは『恋』?


「燐…顔を見せなさい」

首を横に振り、頑なに顔を上げない燐にメフィストは溜め息を吐いた。

「困った人ですね。何に悩んでるか知らないですが私に言ってみて下さい」

メフィストは燐の耳に唇が触れるくらいまで近付き囁いた。

「燐?」

燐は相変わらずメフィストに顔を見せる事はなかった。
本当は見るのが恐いだけ。


でも言わなきゃ。このままじゃいけない…


燐は漸く顔を上げ、真っ直ぐにメフィストを見据え告げた。

「俺…お前の事が…好きかもしれない」

声が震えた。
でも…もう仕方ない。


お前は俺の事どう思ってる?
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