Main-Aoek-
□新しい明日
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「私に何か付いてますか?」
メフィストの言葉で自分がずっと見ていたと知り、恥ずかしくて目を反らした。
「いや、あの…メフィストは好きなって言うか、大事な人っているのか!?」
恥ずかしさを隠しながら今まで考えていた質問をしてみた。
(ホント…女みてぇ)
我ながらそう思った。
でも気になるものは仕方ない。
高鳴る心臓を抑えメフィストの答えを待った。
「いますよ。一人だけ」
燐の心臓は一気に締め付けられたように苦しくなった。
「あ…そっか」
どんな答えも予想してたハズなのに…いざとなると動揺を隠せているか不安になった。
俺、どんな顔してる?
そんな燐を余所にメフィストは口を開いた。
「ただ、まだ私の片想いです」
正直ホッとした。
燐は気を取り直し、メフィストの想い人について聞いてみた。
「どんなヤツなんだ?」
「そうですねぇ…」
メフィストは紅茶を一口飲んでから答えた。
「私を楽しませてくれる、見ていて飽きない人です。ただ、活発すぎるのがたまに傷で目を離すと何をするか分からなく、いつもハラハラします。そして…真っ直ぐな瞳が実に美しい方です」
メフィストは遠くを見つめ語った。
悔しいけれど、今、メフィストの頭はソイツで占められてはいる。
俺が入る余地なんてない。
「そっか…早く両想いになると良いな!そんなに心配してくれるなんて何かいいな」
「貴方にも心配してくれる人が沢山居るじゃないですか」
「俺は…うん。そうだな!」
俺はお前に見てもらいたい。
心配して欲しい。
けど、言わない。
「俺にも心配してくれる奴いっぱい居るんだから幸せ者だな!」
「なら、何故あなたは辛そうな顔をしているのですか?」
「え…?」
燐の精一杯の作り笑いはメフィストにはバレていたようだ。
「貴方を見ているとまた無茶をしないか気が気じゃないですよ」
メフィストはフワッと燐の前に降り立つと頬に触れた。
「貴方の瞳は本当に美しいですね」
燐は心臓が止まりそうだった。
メフィストの触れている部分がやけに熱く感じる。
メフィストの想い人って…