短編集
□ひと夏の
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中学2年に入ったその夏、三神御劔はまだ小学生である幼い守護者の3人を集めいきなり言い出したのだ
「お前ら!まだ幼いからって体力作りはいらないって思うなよ!!いいか!俺たちの代で玉依姫が現れたらどうするーー!!」
「御鏡、ここ教えてー」
夏休みの宿題を持ってきた折阪臨(同時・11歳)は様子を見ていた御劔の双子の弟・御鏡(同時・14歳)に宿題を見せ
「何してるんだよ?」
「新しい料理のメモ帳と睨んでるんだ!!」
都霧聖(同時・10歳)は小さな手にヴァイオリンケースを持ちながら犬神千歳(同時・11歳)の広げるノートを見てふたりで楽しそうに話していた
「お前らー!!俺の話を聞けー!!」
幼い彼らに無視された事で大人気なく叫ぶと少し冷やかしの声が間に入った
「御劔、小学生相手にムキにならないでください……御劔が終わったら皆さんの宿題を全てやってくれるそうなので少し冒険しませんか?」
三神御鏡(同時・14歳)がそう言うと小学生の守護者たちが目を輝かせた
「それって夏休みの宿題を全部!?」
「自由研究もだよな!?」
「自由工作も!?」
「はい。全部です」
蚊帳の外になっている御劔は御鏡を見る
「兄上、冒険ならいいそうですよ?」
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