短編集

□幼児パニック
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その日、玉依姫と守護者たちが住む屋敷でブカブカな洋服を着た見慣れない子どもが広間に座っていた
最初に発見したのは玉依姫である鷹宮由依だった

「……可愛い!!ねー君、どこから入ってきたの?パパとママは?」

由依は身を屈め尋ねるとその小さな子どもは大きな目で見上げてから涙目になり泣き出した

「どうしたん……だ?」

三神御劔は声に気づき慌てて部屋にくるとその光景に絶句した

「ほぉー御劔、手が早いな。覚悟出来てるんだろうな?」
「臨!俺も同意見だよ!!御劔を……『ぶっ殺そう☆』」

同じく泣き声を聞いて慌てて来た臨と千歳は不気味な笑みを浮かべ武器を持っていた

「うわあああん!!」

更に子どもの泣き声が大きくなり由依は皆を睨んだ

「幼い子がいるのに、そんな物騒な事、止めてください!!それよりこの子……どうやったら泣き止むんだろ……」
「どうしたんですか?」

御鏡は泣き声に気づき部屋に入ってきて子どもを抱き上げ背を叩きながらあやすと子どもは泣き止みきゃきゃっと騒ぎ始めた

「御鏡……お前、楓に産ませたのか?」

御劔はその姿に呟くと御鏡は無視をした
無視をされた御劔は落ち込み床に座り込んだ

「ぼく、お名前は?」

御鏡は子どもを抱き上げたまま優しく言うと子どもは元気に話始めた

「ひじり、3さい!!」
「は?」

由依と御鏡以外、名前で絶句するがその該当する人物は16歳なので有り得ないと却下された

「私は三神御鏡と申します。ひじりくんはパパとママとはぐれて迷い込んだんですか?」
「パパ、ママ……しらない!!ひじりは気が付いたらここにいたの!!おじちゃんの名前、おにいたんのともだちの名前と一緒!!」

『おじちゃん』と言う言葉に由依以外が肩を揺らして笑っていると御鏡は一度、由依にひじりを託し御劔を連れて外に出た
暫くして悲鳴が上がったがこれもまた気づかない由依以外の人々が無視をした





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