彼の背中を越す日まで
□【二幕】ようこそ暁へ
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彼に手を惹かれてやってきたのは家の外
『あの...これからどこへ...』
"行くんですか"
そう言葉を繋げようとしたのを遮ったのは、私の視界の端に映る大きな鳥のような物体
「あ?俺達のアジトへ行くに決まってんだろ」
『...あれなんですか』
よくよく目を凝らせば、人がのっている
「早かったな、サソリの旦那」
鳥のうえの人が口を開く
"サソリの旦那"...?
それは、この赤髪の人の名前だろうか
「俺は人を待たすのも好きじゃねぇからな」
「答えになってないぞ、うん..。まあ、何にしても抵抗しない奴でよかったな、うん」
「抵抗なんか見せやがったら両足切断して連れていこうと思ったんだがな。生きてりゃどういう状態でもいいって言ってたし」
「いや出血多量で死ぬから、うん。ほら、びびって...ねえな...現実味がないのかい?」
あ、話しかけられた
『現実味?かどうかは分からないですけど、足を切ったら痛いというのは分かります』
「...掴めねえ奴だな、うん」
この歳で残酷を理解しても、一応12歳の私は難しい言葉は分からない。...一部を覗き。
『えっと、』
私は赤髪の人に向き直る
「...なんだ」
訝しげに眉を下げて私の言葉を待っている赤髪さん
『あなたの名前は、赤髪さんですか?それとも、サソリの旦那さんですか?』
「...は?」
「おお、天然?うん」
『鳥の上の人がサソリの旦那って言ったので、やはりサソリの旦那さんで当たりですか』
「おい、ちょっと待てこら。俺はそんな名前じゃねえよ、いやあながち間違ってないけれども。」
じゃあ赤髪さんかな...
赤髪さん(仮)は鳥の上の人を睨んでいた
「旦那、なんでオイラを睨むんだい、うん??」
「てめぇが変な呼び方するから、こいつが変なこと言いだしたんじゃねえか。後から殺す....」
「えええぇぇ、オイラが旦那を旦那って読んでるのはいつものことじゃねえか、うん!!」
「殺す...」
「なぜそこまでキレるっうん?!?」
あ、"旦那さん"の間違いかも