彼の背中を越す日まで
□【四幕】寝起きの悪い彼と視界の広がった私
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―朝
ふっ、と目が覚めたのが約30分前くらい
私は、寝起きはいい方なので、起こしに来たデイダラくんの言葉で起きれた
それに比べて...
『まだ寝てる...』
隣ですやすやと眠るサソリさん
デイダラくん曰く、低血圧で寝起きが悪く、起こしに来れば何か物が飛んでくるということ
先程は近くにあった傀儡の腕らしきものを投げていた
ちなみに私は、サソリさんの抱き枕代わりになっていて身動きがとれない状態
『起こした方がいいだろうけど、この近さで物投げられたら避けられないし...』
どうしようか困り者だったが、起こさないわけにもいかないので、声を書けてみる
『さ、サソリさんっ..』
「...ん..」
寝息かも区別のつかない返事が返ってきた
『そろそろ起きましょう?後..そろそろ解放してください...』
サソリさんは薄く方目だけ開けて、「まだ大丈夫」と眠そうな声で言った
もう一度目を閉じようとするサソリさんの肩を揺さぶって起こす
『駄目ですよ、二度寝しちゃ』
「...けち」
『可愛く言ってもだめですっ』
先程のサソリさんが可愛いすぎてつい寝るのを許してしまいそうになった
「..チッ、めんどくせぇ..」
サソリさんがひょいっと起き上がると、腕の中に居る私も自然に起き上がる形になる
『そろそろ離してほしいです...』