足掻け、
□何気ない出会い
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あ、しまった
鍵しめるの忘れた……
今から戻るか、それとも恭弥より先に帰ってきて知らん顔するか…
結論、後者。
バリバリ帰宅部で委員会無所属の私には余裕なはず。…うん、いける!!
足取りも軽くなってスキップすると、通りすぎようとした公園でおじいさんが何ともいえない顔で私を見てた。気がした。
どんっ
「うわっ!」「ごふっ!」
曲がり角で誰かとぶつかった。
スキップしてきたせいか、しりもちをつくつもりが三歩後ろぐらいまで吹っ飛ばされた。ついでに鼻に詰めてたティッシュも飛んだ。
「あの、本当にすいません!…だ、大丈夫ですか……?」
な、なんて可愛らしいボイス!
勢いよく声のした方を見てみると、期待通りの男の娘…間違えた、男の子がそこにいた。
ススキ色のツンツンな髪が風でさわさわ揺れるのを見てたら、少年はおろおろしだした。
「あ、あの…その制服、並中の方ですよね…?早く行かないと…その……、」
「ああ!ごめんね、じゃあ一緒に行こうか。」
「はっはい!」
なんか新鮮だなあ…
隣の子をちらりと見る。
が、ガッチガチですやん!!
「どうした!?大丈夫?」
「は、はい!す、すみません…。俺、いつも1人だから、その、緊張しちゃって……って何言ってんだろう俺!!すみません!」
「……」
すげー……。なんだこの子。
表情コロコロ変わるし…なによりすごい可愛い。てか考えてることいっしょ。
……気に入っちゃったよ、
「君、名前は?」
「あ…沢田綱吉です」
「へー…。私は悠梨!よろしくね」
「はい!よろしくお願いします…ゆ、悠梨さん」
かっわいー。もう癒される…
それからは、綱吉くんの事中心に質問攻めをして、くだらない話で盛り上がった。
ちなみに、1つ下の後輩だった。…だと思ったわ。
そうこうしてると、学校についた
「あれ…?風紀委員の人がいない…」
「本当だ。ラッキーだったね、綱吉くん!」
「はい…!」
明らかにホッとした綱吉くん。
恭弥ナイス!…でも、恭弥との事は秘密にしておこうかな…
「じゃあまたね!」
綱吉くんと別れて、教室に向かった。
丁度ホームルームが終わったばかりだったけど、先生からの説教はなかった。……恭弥の圧力か、