足掻け、
□もし
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「さあ、どうぞお座り下さい」
「ど…どーも」
私は今、応接室にいる。
もう少し詳しく言えば、おしりに良さそうなふっかふかのソファーの上に座らされている。この…黒いフランスパンを頭に乗っけた、草壁さんに。…話した事ないんです。はい。
「「……」」
きっ、気まずっ!
私はただ恭弥に今日の報告しに来ただけなのに……。
「すみません、委員長が外出しておりまして。」
「い、いや大丈夫です全然!」
「本当ですか。…良かったです、委員長に聞いた通りの方で」
おっ…!?
ちょ、なんですか恭弥くん。何言ってくれたんだよオイ。
「あの…恭弥はなんて?」
「………それは…」
ガラッ
「戻ったよ。…来てたの悠梨」
ナイスタイミング。あ、違う逆だよ馬鹿。バッドタイミング。
「それでは、私はこれで失礼します」
草壁さんが恭弥と私に一礼して出ていくと、すかさず恭弥が睨んできた。
「…な、何」
「…草壁と何話してたの」
…聞こえてたんかい!
てか気にしちゃうとこ可愛いな!
「恭弥のノロケ聞かされて…う、嘘!嘘だからトンファー出して追い掛けようとしないで!嘘だから!」
「…で、なんで居るの」
…けっこう今更だけど、恭弥って疑問文のはずなのに疑問符ついてないよね。あれわざとかな?
「ちょっと聞いてる?」
あ、疑問符ついた。なるほど不規則か!
「…悠梨」
「聞いてる!これ以上は無いほどバッチリ聞いてるよ!…あのね、今日転校生に会ったんだ」
「……そう。で?」
「運命感じられちゃったよ。今まで生きてきてあんな変な子に会ったのは初だな」
「……噛み殺「さなくていいからね」」
なんだかんだ、私だけがブラコンかと思ったけど、恭弥もなかなかのシスコンじゃね?とか思ってしまった。…自意識過剰か。
「僕からもよく言っておくよ」
「あ、ありがとう。でも私と恭弥が姉弟って知ってるの、2年じゃ京子ちゃんだけだと思うんだ。」
「…何で言わないの」
「純粋に驚いた顔が見たい」
ハァ…。とため息をこぼして、早く帰るよ、と言った。
なんか、いいね。こーゆーの!
よく分からないツボを刺激された私は、ニヤニヤしながら付いていった。