足掻け、
□きっかけ
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「キャーッ武ーっ!!」
「なんでこんな所に!?」
「やっぱかっこいー!」
……うるせえええ!!
3年の廊下に2年のイケメンくんが来たらしい。
おかげで女子ならではの黄色い声まじうるさいんだって。
……そもそも、他学年の階って来ちゃダメじゃなかった?
あ、でも私も前行っちゃったんだった。
「くそ、極限に騒がしいな……まったく寝れんぞ」
ムクッと起き上がってきた良平氏。うん、同意します。
「なんか、2年のイケメンくんが来たんだって。ったく、興味ない人にとっては迷惑だよ」
愚痴も混ぜて教えてやると、良平がカッと目を見開いた。
「なに!?もしや山本か?そうか、やっとボクシング部に入る気になったか!」
「……君、そろそろ気付きな。…絶対違う「笹川センパーイ」!」
「ビンゴおお!!どうした山本!話ならさっそく部室に行くぞ!」
「え……いや、ここで(笑)」
「ざまあ良平!!こりゃ外れでしょ」
「な、!「あ…!ツナの知り合いの悠梨さんってもしかして…」」
「…私だよ」
まわりからヒソヒソと話し声が聞こえる。うわ…嫌だなー。
「俺、山本武っす!覚えていてください」
ニカッと笑う彼…山本くんは、やっぱりイケメンだった。
…ちょっと空気読めないみたいだけど。
「わかった、じゃーね山本くん」
「はい!」
「おい、山本!俺に話があるのでは無いのか!?」
「…あ、もーいいっす」
良平が完全にorz←になった。
「ドンマイ☆」
良平に死んだ魚の目で見つめられた。(睨まれた。)
山本くんが帰っていき、まわりの女子たちも静かになっていた。