足掻け、

□きっかけ
2ページ/3ページ




「キャーッ武ーっ!!」


「なんでこんな所に!?」


「やっぱかっこいー!」



……うるせえええ!!


3年の廊下に2年のイケメンくんが来たらしい。

おかげで女子ならではの黄色い声まじうるさいんだって。

……そもそも、他学年の階って来ちゃダメじゃなかった?

あ、でも私も前行っちゃったんだった。



「くそ、極限に騒がしいな……まったく寝れんぞ」


ムクッと起き上がってきた良平氏。うん、同意します。


「なんか、2年のイケメンくんが来たんだって。ったく、興味ない人にとっては迷惑だよ」


愚痴も混ぜて教えてやると、良平がカッと目を見開いた。


「なに!?もしや山本か?そうか、やっとボクシング部に入る気になったか!」


「……君、そろそろ気付きな。…絶対違う「笹川センパーイ」!」


「ビンゴおお!!どうした山本!話ならさっそく部室に行くぞ!」


「え……いや、ここで(笑)」


「ざまあ良平!!こりゃ外れでしょ」


「な、!「あ…!ツナの知り合いの悠梨さんってもしかして…」」


「…私だよ」


まわりからヒソヒソと話し声が聞こえる。うわ…嫌だなー。


「俺、山本武っす!覚えていてください」


ニカッと笑う彼…山本くんは、やっぱりイケメンだった。

…ちょっと空気読めないみたいだけど。


「わかった、じゃーね山本くん」


「はい!」


「おい、山本!俺に話があるのでは無いのか!?」


「…あ、もーいいっす」


良平が完全にorz←になった。


「ドンマイ☆」


良平に死んだ魚の目で見つめられた。(睨まれた。)


山本くんが帰っていき、まわりの女子たちも静かになっていた。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ